紅い眼の陽炎

１１話 人生万事塞爺が虎 ページ13

Aside

敦「はー食った！」

コノハ「美味しかった…」



満足した様子の二人。
結局沢山食べてしまっている…。
僕たちの分だけでも払おう。

中島さんなんて満足しすぎて茶漬けは
もう十年は見たくない、などと云っている始末。

国木田さんは一寸(ちょっと)怒ってるご様子。

本当苦労人ですね国木田さん。
ご苦労様です。



敦「いやーほんっとうに助かりました！

孤児院を追い出せれて横浜に出てきてから
食べるものも寝るところも無く………

あわや斃 死かと」



孤児院…孤児の為の施設、ですか。

確かカノもキドもセトも孤児院の出と云っていた気がする。

僕も其処に行けたら良かった＿＿なんて、
高望みするだけ無駄ですね。



太宰「ふうん。君施設の出かい」

敦「出というか……追い出されたのです。

経営不振だとか事業縮小だとかで」



ふむ、経営不振などなどで追い出して野放しにしてしまえば
施設として成り立っていない様に思えますね。

裕福な家庭や他の施設に引き渡すなら兎も角…
然も中島さん一人だけだったらそれこそ可笑しい。

本当に経営不振なら半分ぐらい減らした方がいいに決まっている。


つまり＿＿何か裏がある。


そうやって思考していたらまた会話が進んでいたようで。

ただでさえ情報が足りないんだから
聞き逃してしまっては拙い。



国木田「異能力集団『武装探偵社』を知らんか？」



物騒探偵社？←

嗚呼、寶(だから)凄い机叩いてたんですね。
程々にお願いしますよ。


＿＿＿＿と、冗談はさておき、
『武装探偵社』。

『探偵』というくらいですから、
何か事件解決をするところなのでしょう。

更に『武装』の文字。

屹度(きっと)荒事とかにも
対応出来るようになっているのでしょうね。


然し気がかりなのが『異能力』というもの。
恐らく超能力的な何かなのだろうが＿＿＿。

この漫才二人組(コンビ)が本当にそうなのだろうか。


まあいいだろう。

うちの莫迦とゲーマーと天然が
巻き込まれなきゃあそれでいい。

中島さんがいい感じに聞き出してくれている。
これで僕は思考していれば
だいたいの未来は見えてくることになる。

＿＿＿嫌な予感しかしないのだけれど。

国木田さんがむっという顔をしながらも教えてくださる。



国木田「虎探しだ」



虎探し。
恐らく荒事領分の『武装探偵社』が引き受けるものだ。

ただの虎ではあるまい。

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