36 ページ36
「我々四代目護衛小隊は此処で待機する。各自持ち場に」
「「「はっ!」」」
今日は10月10日。クシナ先生の出産予定日だ。
(何もないと、いいけど)
ざわり、と冷たい風がヒナミの頬を撫でた。
巨大な獣の影。
響き渡る獣の咆哮。
崩れ去る建物。
逃げ惑う人々。
九尾が里に現れた。
「私は四代目の元に。君たちは三代目に連絡を」
「「了解」」
シュンッ!!!
「四代目!!」
ミナト「ヒナミ、ナルトとクシナを頼む!」
「はい!」
やや乱雑に押し付けられた赤子を受け取り、息絶え絶えのクシナの手を握る。
シュン!!
「オビトくん…助けて……!ナルトくんが、クシナ先生が、四代目が…!」
クシナ「ヒナミ。オビトはもう、いないってばね…。死人に祈っても仕方ないってばね。ヒナミが…やるべきことは!?」
「!里の人を、守ること…影分身封・解!」
クシナ「それで…いいってばね」
「確かうちは警務部隊が避難指示をしてたはず…!君達フガク先生のところへ飛んで!」
「「「「了解!」」」」
「君達は2人組で片っ端から救助活動を、君達は病院の様子をみて手伝いを」
「「「「「了解」」」」」
「私は、クシナ先生とナルト君を守ります…命をかけても。」
白眼で周囲を警戒する。範囲を波風家宅に絞り、細かな変化も見逃すことは許されない。
庭で四代目と敵が戦っているらしかった。
クシナ先生の手とナルト君のふにゃふにゃした小さな手を握り、いつでも飛べるように準備する。
影分身たちは瓦礫に埋もれた人達を飛来神で避難所に飛ばしているらしい。
目の前で息絶えた人も即死だった人もいた。
赤子を庇って亡くなった親がいた。
瓦礫に潰されて亡くなった子供がいた。
「貴方は誰なの。どうして里を襲うの…!」
1人、四代目の近くにいた影分身が問うた。
男「……」
ミナト「この際貴方が何者なのかはどうでもいい」
「…四代目……。」
ミナト「御影。君は里を頼むッ!!」
「承知しました」
何が起きたのかわからぬまま、ヒナミ達はひたすら救護活動に専念することにした。
近距離タイプのヒナミに今の九尾をどうにかする力はない。
リンのように傷ついた人たちを癒す力もない。
嗚呼、なんと自分の無力なことか。
だとしても、今の自分にできる事を、精一杯。
8人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠威 | 作成日時:2023年4月21日 14時