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「絵、上手ですね。」
洗い終わった道具を拭きながら、大野先輩が描いていた絵に視線を移す。
美しいその絵を欲しいと思ってしまう程だった。
「あんがとー。でも、あげねぇからな。」
心の声を見透かしているのか…。
「分かってます！」
「んふふ。」
ふわっと笑うその顔に胸が高鳴るのが分かった。
「これ、コンクールに出す予定なんだ。」
大野先輩は視線を変えず、道具を拭きながらそう言った。
そういえばお昼休みに櫻井先輩が何か言ってたような気がする。
もしかして大野先輩って櫻井先輩と仲良い？
うわわわ、頭がパニック状態。
確かにこの人もカッコイイ…って何言ってんだ私。
「A、ちゃん？」
「はい！」
「あははっ、元気な返事。」
変に裏返った声で返事をしたら、お腹を抱えて笑われてしまった。
は、恥ずかしい…。
「はー、笑った笑った。」
目尻に薄らと浮かべた涙を拭って、道具をデザインセットの中へと詰め込んでいく。
「手伝ってくれてありがと。もう帰っていい、ってか帰れる？」
小さい子供でも相手にしているかのように聞いてくる大野先輩。絶対
「だ、大丈夫です！帰れます。」
「んふふ、そぉ？じゃあ気をつけてね。」
まだやることがあるのか、その場から動こうとしない。失礼しますと小さくお辞儀してドアに手をかけた。
…明日も来ていいかな。迷惑じゃないかな。
大丈夫、勇気出して聞くんだ！
「…あの！」
「ん？」
「また明日も来ていいですか？」
黙ってしまった先輩。
やっぱりダメなのかな。
「15時半。」
「え？」
「大体15時半には此処に居るから。いつでも待ってるよ。」
「！ ありがとうございます。」
じゃあね。とドアが閉まるまで手をひらひらと振ってくれた。
嬉しいな。
明日のことを考えながらルンルン気分でその場を後にした。
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めーぷるちぃ(プロフ) - 翼彩さん» コメントありがとうございます。少し更新遅くなりますが、頑張ります。 (2019年9月1日 20時) (
レス) id: 2af76aec06 (このIDを非表示/違反報告)
翼彩 - 面白いです！更新頑張ってください (2019年8月31日 20時) (レス) id: ac9c4b5a84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めーぷるちぃ | 作成日時：2019年8月16日 18時
