コミュ力革命【衣更真緒】 (ページ46)

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45話ページ46

最後のフィナーレが打ち上がる

衣「すっげぇな」

何発もの色とりどりの花火が上がる

　
『綺麗だったね』

衣「また来年も来ような」

　

来年、か

どんな私がいて、どんな真緒くんがいるんだろう

　

『真緒くん』

衣「なに？」

　

『幸せにしてくれてありがとうね』

衣「いきなりどうしたんだよ…びっくりするって」

　

目を丸くしてどこか落ち着きがない

『何か花火見てたらそう言いたくなって』

　

何だそれと深くため息をつく真緒くん

衣「心配して損した」

心配性なところはいつまでも変わらないだろうな

　
衣「まあでも、Aが幸せだって言ってくれて安心したよ」

『なんで？』

衣「何でって…いきなり留学するからまた距離置くつもりなのかなって思ったし、何よりアイドルであるからこそカップルらしいことしてあげらんないし…時間も限られてるし…」

だんだん声が小さくなっていく真緒くんの手を優しく包み込む

『そんな真緒くんだからこそだよ』

　
衣「へ？」

『真緒くんの優しさって、単に嫌われたくないがために生まれた優しさじゃないって最近思うようになったよ』

　
相手を気遣えるのは誰にでもできることじゃない

相手を想ってるからこそ

嫌いな人にはしようとも思わないな、私なら

　
『真緒くんかっこいいし心配なのはこっちなんだけど…』

衣「俺もAだからこそかな…」

『ん？なにが？』

　
衣「側にいるのがAでよかったよ」

そういって優しく頭をなでてくれる

『子供じゃないんだけど…』

衣「嬉しいくせに～」

　
　

　

私、今とても幸せだ

衣「これからも側にいてくれる？」

『ははっ何か弱気だね～真緒くん』

　

衣「え、これ言ったら女の子はときめくってあんずが言ってたんだけど！？」

『変なこと吹き込まれたね』

　

また来年、再来年

これからもずっとこうして

　

　

真緒くんと過ごせますように…

　

夢中で花火を見る君を横目に

夜空に輝く夏の大三角形にそうお願いした