コミュ力革命【衣更真緒】 (ページ40)

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39話ページ40

TrickstarがS1に向けての練習を始めても

誰も見向きもしなかった

　
まだ駆け出したばかりのアイドルを誰も見ようとしない

ビラ配りをしても受け取ってくれなかったり

　

　

普通科にも配ったりしてたな～

一般の人が見に来れるライブだから

　

練習を重ねるたびキラキラしていくTrickstar

私にはとても魅力的に見える

　

だけど真緒くんは生徒会でもあり

Trickstarは生徒会を打倒するために、学院を変えるために組まれたユニット

いわゆる二重スパイ状態

彼の足場の悪さに勘付き、母性本能が働いて

私は真緒くんを支えたいって思うようになった

　

　

衣「顔に出さないようにはしてたんだけどな、Aには気づかれてたか」

『真緒くん大好きだから表情の変化とか気づいてたよ』

　

ついに迎えたS1で紅月を破り

Trickstarは一躍有名に

　

縁の下の力持ちとして応援できてたならよかったって思った

　

普通科でもTrickstarは人気を上げた

非公式ファンクラブが設立されたほどに

もちろん私も入った

　

『…って話だしたら切りがないんですが、真緒くんの強いところも弱いところも大好きなんです…』

隣を見ると真緒くんは頬杖をつきながら外を眺めていた

　

母「真緒ったら照れてるのよ」

衣「もういいからそういうの！！」

　

とても楽しい車内

　

真緒くんのお家に着いてお母様の料理をいただいた

　

『おいしいです！』

母「ほんと？小さい頃真緒もこれがすきでね、おかわり～ってよく言ってたのよ」

へー

真緒くんにもそんな一面が…ニヤニヤ

衣「何ニヤついてんだよ…」

『真緒くんの可愛いところあるんだなーって』

　

　
そっぽ向いて真緒くんはごちそうさまと言う

衣「風呂入ってくる」

『怒らせちゃいましたかね…』

母「別にあの子はAちゃんを責めていないわ」

　

自分のことになると不器用だもんね、真緒くん

　

母「真緒ってああ見えて昔は泣き虫だったのよ？」

あの真緒くんが！？

『想像つかないです…』

　

幼馴染の凛月くんにいつも慰められてたとか

今では立場が反対だけどね…

　

真緒くんの意外な顔を知れた気がする