コミュ力革命【衣更真緒】 (ページ16)

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14話ページ16

改めて男に力は敵わないと真緒くんを通して知った

アイドル科にそういうヤツもいるかもしれないから気をつけろと忠告をもらった

　

『はあ、真緒くん怖かった』

衣「本当にお前は危なっかしいよ」

何とか泣き止み、真緒くんとも普通に話せるようになるまでは回復

　

たしかに男の本気の力を目の当たりにしたら

ただじゃすまない

　
『鬼龍先輩に護身術でも教わろうかな』

衣「お前、俺の話聞いてたか？」

　

聞いてたけど将来役に立つはずだ

『習って損はないよ』

衣「いや、そういうことじゃなくってだな…」

　

真緒くんが私の心配してくれるのは嬉しいけど

自分の身も気にかけてほしいな

　

こうして私たちが会ってるのもまずいんじゃないかって最近思い始めてる

これから忙しくなるってあんずが言ってたし

真緒くんは生徒会にも入ってて仕事もたくさんあるだろうに時間を見つけては会いに来てくれたり、こうして相手にしてくれる

『私は真緒くんのことも心配だよ』

衣「俺は別に平気だけど」

　

そう言って強がってばっかり、少しくらい甘えてくれてもいいのに

『目の下隈できてるよ、寝てないんじゃない？』

アイドルなんだからそういうところ気を遣いなよ

　
衣「別に平気だって…」

『ぶっ倒れても知らないよ』

　

本当に心配だ

真緒くんが真緒くんじゃなくなる気がする

　

『ねえ』

衣「ん？」

　

　

　

　

　

『少し、距離置かない…？』

衣「何で？」

　

『私と一緒にいるから真緒くん疲れてるんだよね』

衣「別にそんなことないけど」

　

そう言ってもらいたくて言ったんじゃない

『真緒くんの負担が少し減ったらなって…これから忙しくなるみたいだし、こうして会うことも少なくなっちゃうし』

そう言うと納得したのかしていないのか曖昧な表情になる

　

衣「正直、意味わかんねえよ…けどAがそうしたいなら勝手にしろよ」

　

身震いするような鋭い目つきで言う真緒くん

怖い…

　

衣「お前とは上手くやってけると思ってたけど、俺の思い違いだった」

　

『え…』

そう言って部屋を出ていこうとする真緒くん

　

　

衣「じゃあな」

どこか寂しそうな顔をしていた

　

その表情を見て身動きが取れなくなった

私は真緒くんのあんな顔を見たかったんじゃない…

　

取り返しのつかないことをしちゃったかも