mission13 ページ14
「だから、モデルするのかなって思ってたんだけど?」
ニコニコと笑顔を浮かべて、次々に私の心を追い詰める
「Aちゃん、みんなの雑誌のモデルとかグラビア撮影とか構図考えるの得意だったし、モデルやってみるのも悪くないんじゃない?そうなったら、私にプロデュースさ「…っうるさいっ」」
「知ったような口振りしないで!私がなんでモデルもアイドルも辞めたか知らないのにっ」
あんずちゃんの声を遮り、今までに大きい声を出したことないくらいの声に誰もが息を飲んだ
「ごめん。八つ当たりした
みんなに言ってなかった、私も悪い」
近くにあった椅子に腰掛けて、両足の靴下を脱げば、はっきりと古傷が両足に現れた
「真くん、そんな顔しないでよ
君が悪い訳じゃないし」
その言葉にはっと、誰もが真くんに視線を送っていた
「どういうことだ?」
「小さい時に交通事故でね。相手が居眠り運転をしてて、私たちの車にぶつかった
私、父さん母さんが咄嗟に庇ってくれたから奇跡的に命は取り止めた。けど、この傷は直せなかったし、私を庇ったせいで両親もこの世にいない
当然、歌は歌えても、足に負担のかかるダンスにモデルのウォーキングはダメだと医者に止められてたし、両親が喜んでくれる訳じゃないから、アイドルもモデルも辞めたんだよ」
「そこまで言えばわかるよね?」と苦笑いを浮かべれば、誰もが気まずそうな表情を浮かべていた
「序でに言うと、泉くんとのブライダル特集は、ただの泉くんに嵌められただけで、深い意味はないよ」
靴下を履き直して、荷物の中から“TrickStar”と書かれたファイルを取り出した
「あ、それと新曲…良いのがあれば、この中から選んで。特に無ければ、もう一回作り直す。四人で話し合って編曲してもらっても全然構わない」
次々に渡していくと、誰もが動揺していた
「単刀直入に言えば、1つ目、私にはモデル以上にしたいことがあるから、モデルはしない
2つ目、泉くんとのブライダルは誤解
3つ目は新曲選んで」
前までのTrickStarは、もっと居心地が良かったのに、こんなにも居づらい
「お話終わったし、あのカフェ行こう」というあんずちゃんの言葉をバックに家路へとついた
それからTrickStarのプロデュースをすることは無くなり、曲提供のみとなった
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衣更くんとの接点が本当になくなって来ちゃったなぁ…
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作者名:ゆきはな | 作成日時:2018年3月11日 19時