れ ページ10
･
『で、でも、ジェイドくんが「うつぼだったらキス出来ないじゃないですか」みたいなことほざいてた時も監督生ちゃん顔赤くしてなかった？』
「してません」
『他にも俺がジェイドくん達と出掛けた時も凄い聞いてきたし……』
そう言うと、監督生は困ったように眉を下げた。困らせるつもりがなかった俺は彼女の姿に焦る。
彼女に嫌な思いをさせたくない。だけど、本当にジェイドくんが好きなら、勝手に彼を奪って申し訳ないし、それに彼女ならジェイドくんが奪われるかもしれないという焦燥感が俺を駆る。
ごめん、と謝る俺に彼女は大きなため息を吐いて意を決したように放った。
「……ここだけの話ですが、私はフロイド先輩が好きなのでジェイド先輩を好きになる心配は要りません」
……へ？
ふ、フロイドくん！？あの怖そうな人？俺の記憶上、勝手に俺のケーキを食べて怒ったら笑うサイコパスのはずだけど……。
『え、じゃあ水槽で顔を赤くしてたのは？』
「後ろにフロイド先輩が居たからです」
『何であんなに聞いてきたの？』
「フロイド先輩も一緒に行ったと聞いたので」
全ての点と点が繋がった。
なんだ、俺の勘違いか。監督生ちゃんにはいつも迷惑ばっかりかけてしまう。
ていうか、フロイドくんが好きならジェイドくんの妨害も全部無意味だったし勝手に嫉妬してたのも馬鹿みたいじゃないか。いやただの馬鹿だ。
『ええ……フロイドくんのどこが好きなの？』
「どこって、気分屋で飽き性で、可愛い所とかですかね」
全然良さが分からない。
リドルくんからも口酸っぱく「アイツは危険」と言われる程だ。監督生ちゃん、本当にあんな奴が好きで大丈夫？天使が誑かされないか心配だよ。
「私からしたら、ジェイド先輩を好きな方が理解出来ませんが」
『え、何で？』
「だって「僕を呼びましたか？」」
急に現れたジェイドくん。
その姿に俺も監督生も二人して声を上げて驚く。
そんな俺達の様子を見て彼は微笑んでいた。
「二人で人通りの少ない所で密会なんて……浮気ですか？」
『違う違う！！俺は監督生ちゃんと確認したいことがあっただけ。あ、俺ハーツラビュル寮に戻らないと！じゃあねー』
俺は脱兎の如く、その場から逃げた。
監督生ちゃんの言葉の続きを聞きたかったが、ジェイドくんが怒った時に捕まるとネチネチ煩いからな……。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 531人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きのこ(プロフ) - いいさん» 胸の温かくなる言葉ありがとうございます！そのように言って頂き本当に嬉しいです…！これからも精進して参ります！ (2022年3月20日 23時) (
レス) id: 31fd81a9ec (このIDを非表示/違反報告)
いい - ありがとうございます！すごい世界観や書き方かどストライクで…！嬉しいです！ (2022年3月20日 21時) (レス) id: 03be76b48c (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - いいさん» 配慮が足りず申し訳ありません。普段は「どぽぽ」という名前で活動してます。ツイートのリンク貼っておきますね！ https://twitter.com/dopopo_imo/status/1396527957347225600?t=zT7e7KTYnCwdfljKcXKl_Q&s=19 (2022年3月20日 19時) (レス) id: 31fd81a9ec (このIDを非表示/違反報告)
いい - すみません、本垢はどちらにあるのでしょうか… (2022年3月20日 12時) (レス) @page3 id: 03be76b48c (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - 水の飴さん» 完結して1ヶ月くらい経ってましたから、気付いて頂き有難いです！いやぁ、本当に天使かってくらい可愛いですよね。これからも幸せに、と作者も思います。コメントありがとうございます！ (2021年5月16日 19時) (レス) id: 78f355f2dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きのこ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年5月4日 21時
