１９、翼の指すところ ページ19
並々ならぬ雰囲気を感じ取り、Aは姿勢を正した。
「なにか、あったんですか」
「ああ。──今日、儂らは警告に来た。海外の人体蘇生研究組織、通称『端翼』が、お前を、お前の異能力を見つけたらしい。近頃、この辺りを嗅ぎまわっているようじゃ。なるべく、ここから離れた方が良い」
福地も��子も、険しい顔をしている。それほどまでに、恐ろしい組織なのだろうか。
「『瑞翼』？ 初めて聞きますが」
「ああ、そうだろうな。なにしろ、表向きにはないことになっている組織だからな。だが、用心しておいたほうがいい。聞くところによれば、欧州の支援を受けているそうだ」
欧州の支援。それの指すところは、異能者の総本山であり、歴史ある古い英国の異能機関『時計塔の従騎士』が
「欧州の……」
「そうだ。お前は表向き大戦で死んだことになっているから、儂らが守ってやることもできない」
��子は哀しそうに呟く。
大戦で知り合ってから、彼女の優しさはずっとそばで感じてきた。
世間で恐れられていても、正義を、理想を大切に思う気持ちは本物だ。
「大丈夫ですよ、��子さん。わたしは弱くない。この足だって、異能力のハンデにもなりませんし」
「だとしても、だ。『瑞翼』自体、人体蘇生なんて頭の可笑しい奴等の集まりだからな。何をするかわかったもんじゃない」
ずい、と身を乗り出される。真直ぐな目に見つめられて、狼狽えた。
「うぅ──わかりましたけど、できれば、この館からは離れたくないんですよねえ」
「そんなことを言っている場合か！ 『時計塔』相手には政府も強く出られない。わかっているだろう」
「一ヵ月です。一ヵ月までに、踏ん切りつけますから」
「……絶対じゃ。絶対だと約束せよ」
「はい、約束しますよ」
それが数日前の出来事。
あの日、あの地下室を見つけられたとき、Aは背筋が冷えていくような気がした。
この異能力。人間を石像にしたこと。
それを条野に知られるのが嫌だったのだ。
ああ、でも、いいか。
これで、この館に留まる未練もなくなった。
次でページが２０なのでアンケート作りました。
次作品アンケート。【文豪ストレイドッグス】
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鴎(プロフ) - 最高すぎて一気見しちゃいました〜〜！！続き全力待機してまってます！！ (12月28日 14時) (
レス) @page24 id: 5137519573 (このIDを非表示/違反報告)
みどりんご。(プロフ) - 橘スミレさん» バレたときの絶望感よ……って感じの気持ちでした。楽しく読んでいただけているとのこと、とても嬉しいです。執筆の励みになっています。これからも更新頑張りますね！ (10月8日 11時) (レス) id: fb98158056 (このIDを非表示/違反報告)
橘スミレ(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます！ 私は�△�気になります。そして友人バレしたあなたにいいお知らせです。私は先輩後輩関わらず部員全員にネット上の名前がバレてますw性癖たっぷりな小説（一次）を書いてるアカウントもバレてますw 慰めになれば嬉しいです…… (10月7日 23時) (レス) @page10 id: 4832f2335e (このIDを非表示/違反報告)
六等星(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いています!欲張りですが、�△鉢�が読みたいです! (10月6日 0時) (レス) @page10 id: 3d2bece44f (このIDを非表示/違反報告)
るーかす(プロフ) - この作品大好きです！贅沢を言えば全部読んでみたいですが……！！1番読みたいです！ (10月5日 23時) (レス) @page10 id: 85f3bd2ffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みどりんご。 | 作成日時：2023年10月1日 14時
