１３、高く、異境の風を ページ13
「はあああ、とっても疲れました……」
Aさんはいたるところの蜘蛛の巣を払い、積もった埃を箒で掃き、モップをかけ、綺麗になった床に突っ伏した。
因みにここは一階の大広間。二週間前は訪れなかったところだ。
部屋の中では一番の難関だった気がする、と私は遠い目をした。
廊下はただ
大広間は、蟲退治に加え、なにがあったのか知りたくもないが割れていたガラスの破片と植木鉢の処理。漏れていた土も。当然のように、埃も積もっている。
殆どの物はさる部屋に移動させ、何も置かれておらず、広々とした空間がそのままになっている。
「まあ、主要な部屋は片付けられましたね」
「この館がこんなに綺麗になってるの、初めて見ました……」
Aさんは立ち上がり、ぐしゃぐしゃになったスカートの裾を払って伸ばした。こちらに振り返る。
「館も綺麗になったことだし、休憩にお茶にしましょう。つい先日、新しい茶葉を仕入れたんです」
昨日は行かなかったテラス。森が少し拓けていて、すぐ隣には植物園がつくられている。そこにも、燦燦と明るい日光が届くようになっている。
洋館の雰囲気に合ったアンティーク調のテーブル、椅子。
そこに座り、紅茶を淹れるAさんの様子を眺める。
「セイロンティーのシャンパンとも名高いヌワラエリヤです。セイロン三大ハイグロウンティーの一つでもありますね。フレバリーシーズンだと青々とした爽やかな風味が際立っていて、だいたい十二月から二月くらい。丁度今ぐらいです。黄菊色はとても綺麗だけれど、他の茶葉よりは少し色が薄いかも。緑茶に似た苦みで、日本人向けかもしれませんね」
そんなことを云いつつ、Aさんは砂時計をひっくり返した。これから蒸らし時間に入るらしい。
「へえ、詳しいんですね」
「ええ、趣味なので。条野さんこそ、お茶とか詳しそうですが」
「どちらかと云えば珈琲派なので」
へえ、確かにぽいです、等と会話している間に蒸らし時間が終わったようだ。
温めていた陶器のカップに二人分の紅茶を注ぐ。
「お口に合うといいんですが」
「紅茶も好きですよ」
湯気がほんのりと薫るカップに口をつけ、そっと微笑む。
「美味しいです」
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鴎(プロフ) - 最高すぎて一気見しちゃいました〜〜！！続き全力待機してまってます！！ (12月28日 14時) (
レス) @page24 id: 5137519573 (このIDを非表示/違反報告)
みどりんご。(プロフ) - 橘スミレさん» バレたときの絶望感よ……って感じの気持ちでした。楽しく読んでいただけているとのこと、とても嬉しいです。執筆の励みになっています。これからも更新頑張りますね！ (10月8日 11時) (レス) id: fb98158056 (このIDを非表示/違反報告)
橘スミレ(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます！ 私は�△�気になります。そして友人バレしたあなたにいいお知らせです。私は先輩後輩関わらず部員全員にネット上の名前がバレてますw性癖たっぷりな小説（一次）を書いてるアカウントもバレてますw 慰めになれば嬉しいです…… (10月7日 23時) (レス) @page10 id: 4832f2335e (このIDを非表示/違反報告)
六等星(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いています!欲張りですが、�△鉢�が読みたいです! (10月6日 0時) (レス) @page10 id: 3d2bece44f (このIDを非表示/違反報告)
るーかす(プロフ) - この作品大好きです！贅沢を言えば全部読んでみたいですが……！！1番読みたいです！ (10月5日 23時) (レス) @page10 id: 85f3bd2ffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みどりんご。 | 作成日時：2023年10月1日 14時
