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聞いてもらいたい事 ページ23

sideA

「Aちゃん?」

その声を聞き慌てて立ち上がる。
どうして、どうして!
嬉しさと焦りと申し訳なさが込み上げる。
止めようとしていた涙が溢れ出す。

『ゆっ、とりっ、さんっ……』

「わっ!あっ、あぁぁぁ、どうしたの?!どうしよう?!と、とりあえず落ち着こう、ほら、座って」

ゆとりさんは私が落ち着くまで背中をさすりながら待ってくれた。

「もう、大丈夫?」

『はい……あの、私の話聞いてもらっていいですか?』

「うん……」

『あの、ごめんなさい!ライ「そう……ちゃんと気持ちの整理つけるよ。伝えくれてありがとう」』

ゆとりさんは最後に会った時のように辛そうな顔をしていた。

『違うんです!今の“ごめんなさい”はライブ見れなくてと、2ヶ月も待たせてしまったのと、あと、まだ気持ちが分からない事なんです。

気持ちは未だぐちゃぐちゃだけど、
私2ヶ月考えてわかった事があって、
私、ゆとりさんと一緒にいるのがとても心地よかったんです。

それに、いつの間にかすごく頼りにしていて、ナンパに迫られた時も自分で何とかしなきゃって思ってたのに心の中で“ゆとりさん助けて”とか思ってしまっていて。

あと!ゆとりさんに頭を撫でられるのも恥ずかしかったけど、嫌だなんて1度も思った事なくって……

でも、』

「でも、?」
ゆとりさんがまっすぐ見つめる。


『この気持ちを“好き”って気持ちだと言っていいのか分からなくて。この気持ちがゆとりさんが私に向けている“好き”と同じじゃないのかもしれないかなって……。

今までなら、分からないまま時が過ぎるのをまっていたら、相手が幸せになるって思ってたんです。

でも、ゆとりさんは“私を好き”だって言ってくれて、ちゃんと伝えくれた人に時が過ぎるのを待つなんてやっちゃダメだって。だから、考えてたんですけど、いつまで経っても“好き”って言ってもいいのか分からないままで。

そんな気持ちでもちゃんと伝えなきゃって、
きっと今日を逃せば、たぶん取り返しのつかなくなると……』

私、焦りすぎて支離滅裂だ。
ゆとりさんはまたうつむいてしまった。

伝わった?呆れられた?

私もゆとりさんを見ることができなくて、自分の脚を見つめる。

腕時計に目を落とすと、秒針が短針に変わってしまったかのようにゆっくり動いていた。

「ねぇ、それってさ……」

確かめる→←呼吸が整うまで



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設定タグ:歌い手 , リトマス6 , Utori(ゆとり)   
作品ジャンル:恋愛
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伊東のあるみ(プロフ) - 大丈夫です!私も遅くなりました・・・(^^ゞ (2020年1月1日 16時) (レス) id: 7f0b9911ca (このIDを非表示/違反報告)
あさごろも(プロフ) - あるみさん» ありがとうございます!返信の仕方が分からず遅くなってしまいました。すみません。 (2019年12月2日 8時) (レス) id: fd164af66f (このIDを非表示/違反報告)
あるみ - めっちゃいいですね!更新楽しみにしてます! (2019年11月24日 13時) (レス) id: 97f1e7205a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あさごろも | 作成日時:2019年11月23日 17時

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