思いつくままに ページ20
sideA
『何がわかるって言うんですか?!無音さんに!!』
無音「分からない、分からないよ。察することは出来ても、俺エスパーじゃないし、いや、エスパーでも、誰にも人の気持ちを正確に理解なんてできないよ。」
じゃあ、私にどうしろと。
一生分からない答えを探せって言うの?
『じゃあ、どうしたら“逃げた”事にならないんですか?』
無音「それは、自分の気持ちに正直になる事だよ。」
『別に私、気持ちを隠してないですよ。』
すると無音さんは少し笑ったような声で
「うーん、表向きはそうかもしれないけど、
心の中で思っていた事は?それは伝えてないでしょ?ほら、例えばゆとりんに“シキちゃんみたいなものだ”って言われた時とかさ、」
あの時は
『22歳になって頭を撫でられるのが恥ずかしいと“いやだ”なって。』
先輩「何が?何が嫌だった?」
『そんなの。頭を撫でられる事に決まっ……』
いや、頭を撫でられるのは嫌じゃなかった。
なんでだろう?
無音「じゃあ、デートしてた時は?」
えーと……
私は思いつくままに数えるように言った
『驚いて、可愛いななんて思って、とても楽しくて、でも、ナンパに迫られた時は
怖くて、何とかしなきゃって、自分頑張れって、ゆとりさん助けてって……』
あれ?どうしてだろう自分で何とかしなきゃって思っていたのに……
無音「大丈夫だよ。」
無音さんはすごく優しい声でそう言った。
?何が
無音「大丈夫、今引っかかっている事がヒントになる。きっと“答え”にはたどり着けなくても気持ちには気づけるよ。
どれだけ気持ちがぐちゃぐちゃでもね。」
『え?そんなの……』
無音「まあ、頑張ってよ。
次はAちゃんの番だよ。
じゃあね、ライブで待ってるよー」
ブチッ))
そのまま、電話を切られた。
先輩にも“まだ今週末まで時間あるし、もう少し考えてみなよ!”なんて言われてしまって……
“どうして”が頭を回る。
“答え”にたどり着けなくても気持ちはわかるって何?
side無音
あれだけ素直に思っていた事が言えるのになー。
あんなの聞いたら、誰でも恋してるって思うのに……どうしてそれを“好き”に結びつけてこなかったんだろう?
きっと、たぶんだけど、自分に自信がなかっただけなのかな。
俺にできる事はここまでだし、あとは2人を見守るだけ。
あと、俺あんなキツいこと言ってAちゃんに嫌われてないかな……
仕方なかったんだ!
ごめんよ!Aちゃん!
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伊東のあるみ(プロフ) - 大丈夫です!私も遅くなりました・・・(^^ゞ (2020年1月1日 16時) (レス) id: 7f0b9911ca (このIDを非表示/違反報告)
あさごろも(プロフ) - あるみさん» ありがとうございます!返信の仕方が分からず遅くなってしまいました。すみません。 (2019年12月2日 8時) (レス) id: fd164af66f (このIDを非表示/違反報告)
あるみ - めっちゃいいですね!更新楽しみにしてます! (2019年11月24日 13時) (レス) id: 97f1e7205a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさごろも | 作成日時:2019年11月23日 17時