【マギ】音響鎮魂曲 - ｺｰﾝｿﾉｰ･ﾚｸﾚｲﾑ -

1 - 8 結構、似た者同士なのかもね ページ8

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……ああ、そっか。
僕とジュダルは、結構似た者同士なのかもしれない。自分は煌帝国の皇子として、ジュダルは王を導くマギとして。役割は違うかもしれない、けれど共に上に立つ者として大人達に都合の良いように利用され――同時に、はみ出し者として疎まれる存在。
だけど、僕はジュダルと違って、自分の気持ちを抑え殻に閉じこもる小心者だ。しょうがない といつも一言で済ませ、自分から兄上との距離を置いているのだから。

――紅祐がどんなに忙しくて、自分より大人だからって我慢するんじゃなくてさ、もっと俺みたいに図々しく生きたっていんじゃないの？

耳に残るジュダルが言ってくれた言葉。
そうだよ。もっと僕らしく顔を上げて生きなきゃ。
口だけじゃなく、時には行動で示さなければ伝わらない事だってあるもの。
だからね、これは今、子供の僕ができる精一杯の悪あがき。

「ジュダルくん！」

僕は覆面の後を追いかけ、掴まれてないもう片方の手を握り取る。僅かに驚くそいつと、振り返るジュダル君の顔が くしゃり と今にも泣きそうな表情していた。

「また会おうよ、これでさよならじゃないんだ！ 今度は祐兄も入れて遊ぼ！！ ね？」
「……っ紅覇、俺……」

一筋に伝う涙と共に、こぼれ落ちる言葉。
だけど、僕は大事な部分を聞けずに繋いでいた手が覆面によって引き離されてしまう。
ジュダル君はただ僕に向け、微笑んだ。
今までで、一番表情豊かなものだった。
ツン とくる胸を堪え、僕は笑い返す。

――ジュダル君なら大丈夫。こんな奴等の思い通りになんてならないし、きっと自分の力で前に道を歩むだろう。

僕はそう信じてるし、自分もいつまでも下を向いて歩く訳にはいかないんだ。祐兄の光になれるように、炎兄見たいに家臣に信頼されるような人になる為に―――……。


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