第一章 ページ1
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外が騒がしい。
女官や兵士達の声と足音が忙しく、お部屋の中で待っててと兄上に言われ一人残されてしまった僕は、預けられた砂糖菓子を一つ摘まみ、口に運んだ。
星のような形をしたそれは様々な色がついていて、確か金平糖って言うんだっけ。
噛んでも噛んでもただ甘いだけで、僕には物足りない感じがしたけど、兄上は「素朴な味でいいじゃないか」と言って美味しそうに食べていたのを思い出しながら、また放り込んだ。
僕、練 紅覇には、五つ離れた実のお兄ちゃんがいる。
今年で十二歳になるんだけど、とても優しくてキレイで、カッコいいんだ。その辺なヤツ何かと比べちゃ悪いくらい輝いていて、その弟だと思うと僕はとても誇らしく思う。
そんな大好きな兄上と遊んでいたのに、うるさくする大人達のせいでいなくなってしまったと考えると、胸の辺りが
むかむか して、近くに転がっていた手鞠を手に思いっきり壁にぶん投げてやった。
自分の所に戻って来る手鞠を我ながら上手く避けた直後、ガシャーン！と耳を塞ぎたくなるような嫌な音が僕の後ろからした。
「……ああッ！？」
振り向けば、窓にはでっかい穴が出来ていた。部屋に散らばる残骸がやけにキレイに見え、手鞠はお庭に跳んでいってしまったみたいだった。
「ど、どうしよ……怒られるよぉ！」
この穴を、破片を無かったことにしたいけど、そんなの無理に決まってるわけで。オロオロ しながら僕は駆け付けてくる人の気配を察知して、逃げるようにベッドの下に隠れた。
引き戸が開いたのは、そのすぐ後だった。
兄上から貰った金平糖が入った小袋を片手に、僕はここにいる事がバレないのを願い、静かに耳を澄ませた。
「紅覇……？」
その声はとても聞き覚えのある………ううん、僕の大好きな兄上の声がした。
今にでも おかえりっ！ って言って兄上の所に飛び込みたいけど、物を投げて窓を壊してしまったんだ。もし兄上が怒らなくても、兄上よりも上の炎兄がギランッギランの目で容赦なく僕を射ぬくだろう。……恐い。
「約束したのに、窓壊して外に逃げたのか？ まったく……」
そう言って はあ と息を吐き、部屋を後にしようとする兄上の気配に、僕は我慢出来ずにベッドから出て叫んだ。
「い、行かないで祐兄ぃ！ 僕、ここにいる約束守ったよ！」
嫌われるのが嫌で必死に訴えると、不意に兄上が僕を抱きしめた。僕も腕を回そうとした時、兄上の悪戯ぽい笑顔が 見えた。
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初火(プロフ) - ラウさん» ありがとうございます！ 次の更新は早めに出来るよう努力します！(。・ω・。)ゞ (2015年7月30日 20時) (
レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
ラウ(プロフ) - イラストかわいてです！更新頑張って下さい(*´∀｀) (2015年7月20日 23時) (レス) id: 0b7fa14454 (このIDを非表示/違反報告)
初火(プロフ) - ゆみさん» ありがとうございます！ 実は紅覇君の実の兄という設定はあまり見かけなかったので、だったら自分がなんとかそれを活用し、面白い話を作れたらなと思って書いてました。長文失礼しました！ (2015年6月30日 20時) (レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
初火(プロフ) - 舞舞さん» ありがとうございます！ 私の書き方が少しでも参考になれるのなら、嬉しい限りです。 ぜひ舞舞さんが書いている作品を読んでみたいです！ (2015年6月30日 20時) (レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
初火(プロフ) - ウルさん» 初めまして！ ありがとうございます。時折イラストも載せる予定なので楽しみに待っていただけると嬉しいです！ (2015年6月30日 20時) (レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
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