かわれました 28 ページ29
Aside
正直、どうしたらいいかわからなかったが、助けなきゃ、治さなきゃ、助けなきゃ、治さなきゃ、と頭は考えていた。
そして私は何を考えてか、親指の下辺りに噛みちぎる勢いで食い付いた。
もうこの時点で普通じゃなかったのかもしれない。
口の中に鉄のような味がし始めたのを感じて、親指の下辺りから口を離した後に、口の中にある血をペっと外に吐き出した。
パパは困惑したような顔をして、Aちゃん?と小さく私を呼んだ。私は大丈夫だよ。と少し微笑み、返すとパパが怪我しているところに手を近付けた。
大丈夫だよ。なんてどこからそんな自信が湧いてくるのかわからない。でも...そう思い私は自嘲的な笑みを浮かべた。今の私なら、絶対出来る。そう思ったのだ。
すると私が噛んだところから流れていた血が沢山の鞭のようになった。最初は困惑したが、それも一瞬で治れ、治れ。そう思っているとパパの傷にその鞭のようなものは触れ、上から包み込んだ。
パパはぐっと、苦しそうな声を出したが、そのまま目を閉じた。パパの怪我しているところを見ると、血の鞭 は液体状に戻るとポトポトと地面につたい落ちた。
そして噛んだところを見ると噛んだ後すら残らず、何も無かったかのように綺麗に治っていた。
そして私は不意に、肩に痛みも熱さもないのを感じ、肩に手を触れると治っており、パパのお腹を見るとそこも治っていた。
それに思わず、ひ...と怯えた声を出し、今更何この力...と恐怖が湧き上がってきた。
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彩乃(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続き楽しみにしてます!! (2021年9月18日 21時) (レス) id: e9609c3893 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - すごく面白いですね!楽しみにしています。 (2021年8月5日 23時) (レス) id: ca65bd19a8 (このIDを非表示/違反報告)
ロザリー - 面白くて一気読みしちゃいました!続き待ってます! (2021年7月30日 16時) (レス) id: c0377d5875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:(Magao) | 作成日時:2021年6月11日 3時