隠した秘密と不良美少女

中３　　６ ページ36

彩「・・・」
クラスには行かないで屋上でサボってた。さっきの麗香の表情が気になった。何かを堪える様に目をきつく閉じてた。やっぱり・・・。
彩「沙耶・・・。どうすれば・・・」
麗香には姉が二人いる。７才年上の梓。２才年上の沙耶。沙耶はもうこの世にはいないけど。私が命をかけても守り切れなかった。
彩「・・・禁煙してたのに。どうして」
どうして私は弱いんだろう。そう思って煙草をくわえる。やめてたのに。体に悪いのになぁ。そう考えてるのにやめられない私はどうなんだろう。
「やめてたんじゃないの？」
顔を上に向ける。
彩「環奈。何してんの？」
環「サボってるの〜」
彩「ダメでしょ」
環「人のこと言えないでしょ？」
彩「・・・確かに」
苦笑して言う。
環「もう吸わないかと思ってたのに」
彩「我慢してたんだけれどね。どうしようもなくて」
環「じゃあウチも。」
昔からフワフワしてて周りのことはどうでもいいみたいなのにいつも私のそばにいてくれる。ただ何も言わずに。支える様に。
環「昔から我慢しちゃうよね。彩ちゃん。麗香のことはそっとしてて。」
彩「分かってるよ。だから溜め込んじゃう。」
煙草の先からでる煙を眺める。
環「空になりたいね」
・・・空？青く澄み渡った空？
環「空はどこまでも続く。何も考えなくて済むの。こうやってケンカしなくていい。澄み渡った空は天気に表情を出すんだ」
・・・そういうもの？
環「例えだからね？」
彩「あ。うん。」
そうだよね。
彩「空・・・ね。いいかも。」
環「でしょっ？」
彩「でも煙草はやめられないね」
環「うん。未成年なのにね」
彩「ハァ・・・」
溜め息と一緒に煙を吐き出す。
環「ウチも逃げられないなぁ。」
そこからは何も言わずに二人で空見上げてタバコ吸ってた。

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