もしも……………… 2nd

α7 1番好きな人 ページ5

………………は？

なんで、何でアンタが………


「ほんとに大丈夫だから。
あの子の言ってることだって、あながち間違ってないし「何で許すんだよ！！」

不覚にも私を庇った立花さんに向かって、上杉君が声を張り上げる

本人は全く気にもとめていないようだったけど、ここまでくると、周りの目が気になる


「許すなよ！お前侮辱されたんだぞ！よくも知らない女に！

……………人がよすぎるんだよ……っ。ちょっとは被害者ぶっても良いんだって…………！！」


絞り出すような声に、立花さんをどれだけ大切に思っているかが伝わってくる

立花さんは、困ったように、悲しそうに、上杉君を見つめた

「…………っ、だって………若武のカノジョさんなのに………「彼女じゃない」


……………え？


左側から聞こえた、衝撃の一言


「え…………？」

立花さんも、驚きの声を漏らす

上杉君達の中には、びっくりするだけの人や、案の定と言ったように、溜め息をつく人がいた


でも

今はそんなこと、どうでもよかった


状況を、すぐに理解できた訳じゃない

だけど、頭によぎった嫌な予感は、“ハズレ”じゃない気がした

「え…まって…………」

焦って、若武くんの腕に手を伸ばす

「ウソだよね？若武く「さわるな」

触れる直前、低く響いた若武くんの声

今まで聞いたことのない声も、こちらを見ない瞳(め)も、
そのすべてが、彼の心情を物語っていた

「帰って」

そう言った若武くんの言葉は、不本意にもすぐに受け入れられた


前から、こうなることは予感してた

覚悟、決めようと思えば決められた


だから


だから



それでも




わずかな希望にすがりたかった―――――…………

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