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「ふぅ…Aも瀬戸君も不器用ねぇ…」
Aから電話が切られたのを確認して、私はクラス写真に目を移した。凄く仲良さそうに腕を組んだ二人なのだが、今の二人を見るとそうでも無いように思える。
私から見てもあんなに二人はバカップルだったのに、原因は恐らく佐藤さんだろうがギクシャクしてしまっている。
「ゆりえちゃーんっ!ママのお手伝いして頂戴ー!!」
「は〜い」
私の事をゆりえちゃん、と呼ぶおっとりとした母の下に、私は階段を降りて向かったのだった。
*
「あらA。出掛けるの?」
「ゆりえと水族館行ってくる」
まだ梅雨が来ていない真っ青な空が私を歓迎するように大きく拡がっていた。いつもよりこったオシャレをしているからか、母がそんな事を聞いてきた。
ちなみに、母にゆりりんと言っても通じなくて、ダサいと言われた。
「もう!なんで早く言わなかったの!?お小遣いあげたのに」
「お父さんから貰ったから大丈夫だよ」
「もしもの為に持っていって。無駄遣いはダメよ」
「ありがとう」
こう見えて私の母は心配性なため、幼い頃はりがない限り出掛けてはあいけなかった。もし出掛けるなんて事があれば、勉強量3倍が待っていたのだから。
まあそれがこうやって得する元にもなるから、得する時もあり、損する時もあると言う事だ。
「ちゃんと食べてから行くのよ。夜ご飯は要る?」
「夜ご飯前には帰ってくるから、要る」
「解ったわ」
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真ん中さん - そのあとが気になります!!! (2017年10月19日 23時) (レス) id: c98b21a52a (このIDを非表示/違反報告)
杏樹(プロフ) - ルドリアさん» ありがとうございます! (2015年8月7日 0時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
ルドリア - 完結おめでとうございます! (2015年8月7日 0時) (レス) id: 5455d9796b (このIDを非表示/違反報告)
ルドリア - 実は杏樹さん宛のメッセージを「羽」に書いたんですよ。よかったらどうぞ。 (2015年7月17日 13時) (レス) id: 5455d9796b (このIDを非表示/違反報告)
杏樹(プロフ) - ルドリアさん» 読んでくださってありがとうございます!!是非読ませていただきますね!! (2015年7月17日 12時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小泉 海砂 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2015年7月16日 19時