M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part6 (ページ8)

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仁人「こ、これは…」

スロース「疲れてるんでしょー…？だから、君たちの体を怠けさせてあげたんだー…。感謝してよねー…」

柔太朗「なぜ…俺の氷が溶けた…？！」

体が思うように動かず、柔太朗は顔だけスロースに向けてにらみつけた。

スロース「簡単なことだよー…。氷が"凍っているのを怠けた"んだよー…」

氷が凍るのを怠け、水に戻ったとでもいうのか。

柔太朗「こいつ、そんなことまでできるのか…？！」

スロース「僕はねー…あの神様たちと何百年と戦ってきたんだよー…？君たちみたいなぽっと出のお子様なんかとは、年季が違うんだよねー…。魔王や他の大罪を倒したからって、いい気にならないで頂戴(ちょうだい)…」

見た目こそ人間の十歳ほどだが、確かに七つの大罪は神と対の存在だと聞かされていた。
ついついこの見た目に騙されてしまっていたが、こいつは何百年と生きる人外なのだ。

スロース「僕を凍らせたからと言って余裕ぶってないで、一瞬で僕を粉々にしとけばよかったねー…。せっかくのチャンスだったのにー…」

仁人「くそ…」

スロース「さぁ、これで勇者達ともお別れかー…。さみしく、ないねー…あははー…」

最強と言われる勇者もあんなに簡単に倒せた。
さっきは油断したけど、残るこいつらも以前にあれだけ蹂躙(じゅうりん)できた。

あとは余裕だ…

瑞生「年季が違う割に…騙されやすいんだね…君は…」

冷たくあざ笑うスロースを前に、瑞生は口角をあげてほほ笑んで見せた。

スロース「うん…？君は本当に、負けず嫌いだねー…。まぁ、そんなところも嫌いなん…だけ…ど…さ…？」

何か変だ。
何だこの違和感は。
今、目の前には三人の勇者が怠けて跪(ひざまず)いて、動けなくなっている。

三人…。

待てよ…。

確か、ここに入ってきたときはあと三人、焚火のところで寝ていたはずだ。
だが周りを見渡しても、焚火が燃えているだけで、あとの三人はどこにもいない。