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スロース「残りの…三人は…?!」
瑞生「今頃気がついたのかい…?案外同じ手も通用するもんだ…」
瑞生の手元に、黄昏色の水晶玉。
スロース「そう言えば、あの時もそれで何かしてたよねー…?前にグリードが言ってたよー…。確か…えっと…」
スロースは怠惰の大罪。
グリードの情報も、いつも適当にしか聞いていない。
スロース「……」
あの水晶玉、一体何なんだ。
何をしたんだ、こいつは。
スロース「な、なんだこの匂い…」
すると、どこからともなく、甘い香りが漂ってくる。
何故かこの匂いを嗅いでいると、頭が空っぽになって、何もかもどうでも良くなって、この香りの事しか考えられなくなってくる。
スロース「い、いい匂い…」
スロースは、ゆっくりと洞窟の出口の方へ歩いていく。
瑞生「君も余裕ぶって怠けてないで、あの時みたいにもっと僕らを怠けさせたほうが良かったんじゃないかい…?」
瑞生のその言葉も、今のスロースには聞こえない。
もっと、この匂いを嗅いでいたい。
頭の中はそれしかない。
やがて、スロースは匂いの元を辿るように洞窟の外へ出ていった。
そして雨が降りしきる中、スロースめがけて雨を蒸発させながら燃え盛る真っ赤な炎と、激しい雷鳴と共に青い雷が落下した。
スロース「ぎゃああああああ!!!」
スロースの悲鳴が雨の森に響き渡った。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月28日 19時