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野盗達の手から噴き出す血で赤く染まる道を、青年は進み続ける。
その顔は、何の感情もない、まさに"無"表情だった。
野盗頭「ちっ…調子に乗るなよ!!」
そう言うと、頭は先ほどまで甚振っていたこの町の住人の男性を引き寄せると、自分の前に立たせた。
人質ということだ。
しかし、青年は右手をすっと差し出すと、圧縮させた空気の塊を飛ばし、野盗頭の体を"人質ごと"吹き飛ばした。
野盗頭の巨体は建物の壁に激突し崩れ落ち、人質の男性も衝撃で気を失って倒れこんだ。
野盗頭「ぐはあ!!」
地面に
その背後から、残った手下達が剣を振り上げて襲い掛かってきた。
手下「うっ?!」
しかし、剣を振り上げたまま、手下達は苦しみだす。
息ができない。
こいつに近づくだけで、胸が苦しくなり、呼吸をすることができない。
手下「う…ぐ…」
やがて手下達は泡を吹いて、白目になってその場に倒れこんだ。
その光景に、野盗頭の表情はすでに恐怖で満ちていた。
得体のしれない力により、手下が次々と倒れていく。
野盗頭「お、お前一体何なんだ…!!お前は、人間なんかじゃない…!!」
化け物だ!!
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月7日 16時