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どうして人を傷つけちゃいけないの?

お婆ちゃん「それは、その人の大切な人も傷つけて、悲しませてしまうからだよ」

どうして人を悲しませちゃいけないの?

お婆ちゃん「それは、自分の心も悲しくなって、泣いてしまうからだよ」

じゃあ、どうして人を殺しちゃいけないの?

お婆ちゃん「それはね―」



野盗の一団の周りには、剣や槍で串刺しにされたり、バラバラに切り裂かれたり、銃弾で頭部を吹き飛ばされた町の人たちの死体が、山のように転がっている。
そして、生き残っていたわずかな町の住人を甚振(いたぶ)り、それを見て野盗達は笑いながら酒を飲んで楽しんでいるところだった。
そこに一人の青年の邪魔が入ったことで、野盗頭は腹を立て、十数人の手下と共に、青年を取り囲んだ。
桃色のローブを羽織った青年は、無言で、無表情で、その光景や、死体の山を見回していた。

野盗頭「ガキがふざけた口()いてんじゃねえぞ。やれ!」

野盗頭は目を血走らせ、手下達に合図を送る。
手下達は拳銃を構えると、一斉に青年に向かって発砲した。
しかし、小さな鉛の球は青年に届くことはない。
それは空気の壁に阻まれて、あらぬ方向へ吹き飛んでいく。

野盗頭「な、何だ一体…?!もう一回だ!!」

その言葉で、更に手下達は引き金を引く。
だがその銃身は、いつの間にか()びて潰れ、銃口を塞いでおり、引き金を引いた瞬間全ての拳銃が暴発した。

手下「ぎゃあああ!!」

手下達の手は吹き飛び、肉片や血しぶきが舞う。
(ひじ)から先が無くなって、苦しそうにのたうち回る手下達を見て、野盗頭は一瞬恐怖の表情を浮かべた。

野盗頭「な、何だ…?!お前、何したんだ…!!」

目の前では、平然とした表情の青年が、何も言わずに近づいてくる。
その通り道でのたうち回る野盗達の事が、まるで邪魔なゴミが落ちているとでもいう様に、無情にも倒れこむ野盗達は道の端まで空気の塊に吹き飛ばされ、動かなくなった。
 

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設定タグ:M!LK , 勇者   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月7日 16時

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