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野盗頭の目には、その桃色のローブの青年は、人間の姿をした化け物に映った。
表情一つ変えず、目に見えない力により、周囲の人間を次々と
野盗頭「化け物め!!俺に近づくな!!」
野盗頭は持っていた短剣や拳銃、その辺に落ちていた
しかし、それは青年に届く前にボロボロに風化し、
そして一歩、また一歩と青年は野盗頭へと近づいていく。
それから逃げるように、丸腰になった野盗頭は
少しでもあいつと距離を取らなければ
そう思っていると、逃げ込んだ建物の壁が見る見る酸化して錆びついていき、音を立てて崩れていく。
野盗頭「っ?!」
一瞬のうちにその建物は
建物の中にいた野盗頭は、天地がひっくり返り、外に放り出されて倒れこんだ。
周りを見回すと、すでに周辺の建物は壊滅し、まるでそこだけ巨大な力が通り過ぎていった後のように見る影も残っていない。
そして目の前には、何も言わず、何の表情も浮かべず、ただこちらを見ている青年が静かに、ゆっくりとこちらへ歩み寄ってくる。
その目は無表情のはずなのに、不気味なほど深く、全てを食らいつくして飲み込む闇のように暗い。
視線だけで恐怖が体を支配し、身震いしてしまう。
野盗頭「ば、ば、化け物…!化け物!!!こっちに来るな!!!消えろ!!!」
腰が抜けて、野盗頭は立ち上がることができず、尻もちをついたまま後退る。
次の瞬間、野盗頭は自分の体が見えない何かに無理やり押さえつけられて動けなくなり、両手足がまるで何者かに押しつぶされていくような感覚に襲われた。
野盗頭「な、何だ?!お前、俺に何してるんだ!!」
体が見えない空気の壁に押さえつけられて、身動きが取れない。
その間に、青年はすでに野盗頭のすぐ目の前に立っていた。
更に、圧縮された空気の塊が、野盗頭の両手足を押し
野盗頭「い、痛い!!痛い痛い!!や、やめろ!!!やめてくれええ!!!」
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月7日 16時