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太智「俺の体のことぐらい…俺が一番わかる…。もう、無理だよ…」
太智の顔は一層青白くなり、握っていた手がどんどん冷たくなっているのがわかる。
舜太「太智君…!あかんやろ!!そんなこと言わんといてよ…!!」
仁人「琉弥!!何してるんだ!!早くなんとかしてくれ…!!頼むよ…!!」
琉弥「わかってる!!!わかってるよ!!!でも、でも…!!!」
仁人にもわかってる。
琉弥は精一杯以上のことをやってくれている。
これ以上琉弥にどうさせようというのか。
でも、自分には何もすることがない。
今の太智に、何をしてやることもできない。
その
柔太朗「くそ…なんで…」
今まで黙ってみていた柔太朗も、両目から大粒の涙を流していた。
柔太朗「そうだ…命の…マリーゴールド…!!」
命のマリーゴールド。
それは死者の魂を現世に呼び戻し、つなぎとめる奇跡の花。
太智「馬鹿…言うなよ…。それって…百年に一度しか…咲かないんだろ…?俺…そんなに…待ってられないよ…」
百年に一度、たった一輪しか咲かないその花は、すでに瑞生の命を救い、その使命を
瑞生「い、命のマリーゴールドなんて必要ない!!必要ないよそんなの!!だってそうだろ?!君は死なないんだからさ!!」
瑞生はぎゅっと太智の手を握りしめた。
冷たいその手からは、すでに命を感じない。
脈打つ鼓動の間隔も、徐々に広く、浅くなっていく。
そして、太智はその場で咳込み、口から大量の血があふれだした。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月7日 16時