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琉弥「ど、動脈からの出血が…多すぎる…」
右肩、脇腹、左足太ももを撃ち抜かれた太智は、仲間の六人に囲まれながら屋内の小さなベッドの上で横たわっていた。
ベッドはすでに、太智から噴き出すように流れる大量の血で、真っ赤に染まっている。
琉弥「太智君…！安心してね！！俺がすぐ治すからね！！」
太智の顔は青白く、目も
琉弥はそんな太智の傷口に息を吹きかけ、布をあてがいながら治療に専念しだした。
太智「俺…死ぬのかな…」
今にも消え入りそうな小さな声で、太智はそうつぶやいた。
瑞生「馬鹿なこと言うなよ…！君が死ぬわけないだろ！！」
舜太「そうや！太智君、死ぬ暇なんかないって前に言ってたやん！」
ベッドの両脇で、瑞生は右手を、舜太は左手を握っていた。
琉弥「いいよ太智君！もっとしゃべって！！意識をしっかり持っててね！！」
太智「俺…もっと…目立ちたかったなぁ…」
瑞生「何言ってるんだよ…！さっき目立ってたじゃないか！最高に格好良かったよ！」
太智「へへ…瑞生が…そんなこと…言ってくれるなんて…なんか…嬉しいな…」
瑞生「僕がここまで言ってあげたんだ！これ以上馬鹿なこと言ったら承知しないぞ！！」
太智「無茶…言うなよ…」
仁人「無茶なんかじゃないさ！私たちがついてる！太智！安心してろ！」
仁人はそう言って笑った。
しかし、その眼からは涙がこぼれる。
何故なら、琉弥の懸命な治療にもかかわらず、太智の傷は全く
どころか、血がとめどなく流れている。
琉弥「何で…何で傷が塞がらないんだよ！！！」
琉弥の能力は、人間の持つ自然治癒力を極限以上に高め、傷を塞ぐ。
だが、それは自然治癒力が"正常に"働いていた場合だ。
人間が生きていこうとする力があって初めて効果を発揮する。
しかし、太智の傷が塞がらないということは、その自然治癒力が全く機能していないということだ。
それはつまり―
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年10月7日 16時
