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ラスト「最初にそなたに出会った時…」
太智「え…?」
ラストは
ラスト「そなたにも洗脳を行ったのじゃ」
太智「もしかして、目を見てって言ったとき?」
ラスト「そうじゃ。でも、洗脳が効かんかった。そんなのそなたが初めてじゃった」
太智「へえ…。でもなんで…」
ラスト「今ならわかる…。それはそなたが、その…あれじゃよ…。わらわのこと、下心抜きで、その…純粋に…す、好きじゃたってこと…」
そう言われ、太智は耳まで真っ赤になった。
ラスト「わらわの洗脳は、わらわに対して下心や色欲があるものにのみ有効じゃ。もちろん、全ての人間がそうじゃと思っておったが…そなたは…太智は違った…」
太智「な、なんか恥ずかしい…」
ラスト「わらわだって恥ずかしいわ…。わらわだって…太智に…す、好きって言われたとき…なんとも言えん気持ちになった…。あんなのはじめてじゃったから…その…う、嬉しかったのかも…」
太智「ほ、本当に…?」
ラスト「…」
ラストは小さくコクっと頷いた。
太智「そ、そっかー…!へえ!そっかそっか!」
太智は嬉しそうに赤くなりながら笑った。
ラスト「それから、二度目にやってきたときに持ってきたあの花…」
太智「あぁ、あれ…」
ラスト「その…。踏みつけてしまって悪かったな…。できれば…また、摘んできてほしい…。本当は、なかなか綺麗じゃったからな…」
太智「うん…わかったよ…。今度は一杯摘んでくるね…」
ラスト「おほほ、嬉しいのう…。なんだか…ずっと、こうしていたい気分じゃ…」
太智「じゃあ…これからは、ずっと一緒にいよ…。な、なんてね…」
ラスト「よいぞ」
太智「え…」
ラスト「太智となら…一緒に居ても…よい」
太智はその言葉に、全身から火が出るかと思った。
ラスト「そ、そろそろ行くか」
まだ姿は見えないが、階段の下の声がどんどん大きくなってきていた。
太智は小さくうなずくと、ラストの手をしっかりと握り、最後の階段を上り始める。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月9日 17時