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26ページ From:私 ページ27

ぽ「あ、そう言えばそのリンゴも材料にありましたね。
隠し味ですか?」
『うん。思った様に上手く切れてないけどね。
ほら、これなんか歪な形でしょ?』
丸い形状の食材はどうしてこうも切り辛いのだろう。
「…あの、剣持さん。
わ、私にも手伝わせて下さい…。」
私とpoez君が話していると、poez君の彼女さんが
少し慌てた様な口調でそう言ってきた。
『良いよ。一緒にやろう。
じゃあこの半分切ったものを更に薄く切ってくれる?』
「分かりました…。頑張ります。」
ホッとした顔に変わった彼女を見ると、どこか暖かい気持ちになれる。
何だか妹が出来たみたい。

もう少しで完成と言った所で、問題発生。
ス「あれ、リンゴも入れちゃうんですか?
蜂蜜は貰ってませんけど。」
そうだ、蜂蜜とセットじゃないと少し酸っぱいカレーになってしまう。
ぽ「牛乳なら貰ってますよ。」
稲「ぽず君、それだとシチューっぽくならない?」
慌て出す男子達の近くで私達は。
「ねぇ、ぽず君。その牛乳借りても良い?」
ぽず君の彼女さんの閃きに耳を傾けていた。
ぽ「え、良いけどどうするの?」
「ん…、ちょっと待っててね。」
言うなり彼女は、受け取った牛乳パックを開けて
その中身をアルミホイルを巻いた紙コップに半分程注いだ。
「まさか、そのまま飲むなんて言わないよね…?」
「違うよ、ちゃんと料理に使うの。」
稲野君の彼女さんの問い掛けに答えながらも、彼女は手を動かす。
注いだ牛乳に砂糖を大さじ一杯入れてかき混ぜ、
少量のお湯を張ったフライパンの上に置く。
「後は二十秒位で出来ますよ。
何とか時間までに間に合いそうで良かったです。」
再びホッとした顔の彼女に反して、驚いた表情を浮かべる私達。
ぽ「それってもしかして、蜂蜜の代わり?」
「うん。流石にとろみは付かないけど、
蜂蜜に近い甘みは出てる筈だよ。
前にカップスフレを作った時に、似た様な工程があったから
ここでも出来るかなって思って試してみたの。」
自分の彼氏君の問いにそう答えた彼女のおかげで、
とても美味しそうなカレーを作る事が出来た。
色味が影響するかと思えばそんな事も無く。
お鍋が大きいからなんだろうな、と一人で納得した。

辺りが少し暗くなった頃。
む「全ての班のカレーが完成したそうなので、
ここらで晩御飯の時間を取ります!
食べ終わった後にはデザートもあるから楽しみにしてな!
順番によそい終わったらそのまま待機ね!」
各自でカレーをよそい、私達は開始の号令を待った。

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年2月19日 21時

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