検索窓
今日:15 hit、昨日:8 hit、合計:17,495 hit

三十一通目 ページ32

む「皆、今日はお疲れ様。
俺からしたら今から打ち上げしたい所だけど、
あんまり遅くなると何言われるか分かんないからここで解散しときます!」
あまりにも潔い本音に、クラス中から笑いが起こる。
む「じゃあ号令係、後は宜しく!」
先生に丸投げ…いや、振られた今日の号令係が
笑いを堪えながらそれに応える。
最後のこの時間まで、今日は本当に楽しかったなぁ!

かなり微妙な時間に色々食べたからか、あまりお腹が空かない。
仕方無い。今日は晩御飯は置いといて貰うか。
そう思っている私の右隣で、はたさこ君が
何か考え込んでいる様な顔をしながら歩いていた。
堪らず彼に話し掛ける。
『さっきからずっと黙ってるけど、どうしたの?』
はたさこ君に話し掛けたのに、問いの答えは左側から飛んできた。
と「お腹でも痛いんじゃない?」
は「違いますよ…!何とも無いです。」
即座にとりっぴぃ君の答えに反応する彼。
紛う事無きいつものやり取りだ。
尚もとりっぴぃ君がはたさこ君に食って掛かる。
と「本当に大丈夫ー?」
は「大丈夫ですよ…。」
と「あ!分かった!体の問題じゃないんなら、
心の問題とか?悩み事とか!」
は「そんなのでも無いですよ。」
でもその顔は、明らかに苛ついている。
対照的にとりっぴぃ君は、何故かニヤニヤと笑っていた。
と「例えばー、はるかりんに何か言いたい事があったりとか!」
途端、前を歩く三人の足が止まる。
彼らが振り向くのと同時に、私達の足も止まった。
『え、私に言いたい事?』
はたさこ君を見ると、目を見開いて顔を紅潮させていた。
俯きがちの顔が、更に下を向いてしまう。
な「何何ー?何の話ー?」
か「ワシら邪魔じゃったら先に行っとくけえな!」
とりっぴぃ君の前にいたうばまろ君が、彼をギロリと睨み付けた。
睨まれた彼がうばまろ君に笑い掛ける。
え、どう言う事?
は「べ、別に、その…。な、何でも無いですよ…。
早く帰りませんか…?」
普段に輪を掛けてガチガチな彼を見て、またニヤニヤするとりっぴぃ君。
はたさこ君のその言葉も、少し早口になっている。
何か、雰囲気が悪くなってきた様な…。
『まぁまぁ。はたさこ君もこう言ってるし、早く帰ろ!』
無理矢理皆を追い立て、帰り道を再び歩き始めた。

途中で他の皆と別れ、最初に皆で一緒に帰った時の様に
私ととりっぴぃ君の二人きりになった。
その途端。
ぎゅっと、後ろから抱き締められる。
そして、耳元でこう囁いてきた。
と「やっと、二人だけになれたね。」

三十二通目→←三十通目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
30人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

螢羅(K-Ra)(プロフ) - 夜月さん» メッセージありがとうございます!設定だけで言えば王道だとは思うんですが、それ故にどう変化を付けるのかが難しい作品でもありました。書いていて楽しかったですけどね!2ですね!了解しました! (2018年2月6日 13時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 突然のメッセージ失礼致します。完結おめでとうございます!大好きなはたさこさんのお話で毎回ニヤニヤしながら二人の恋路を見ていましたwもう青春って素晴らしいです!!www次の作品のアンケですが2がいいです!お忙しいとは思いますが体調にはお気をつけください (2018年2月6日 13時) (レス) id: 37437532ec (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 心音さん» わー、ありがとう!結構多いから、自分のペースでゆっくり読んでね!世界観が繋がってるのとそうでないのがそれぞれあるから、中身分からないまま一気に読んだらこんがらがると思う…。私もちょっとこんがらがったw1か3了解! (2018年2月5日 23時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
心音(プロフ) - 完結おめでとう!いまだに読めてない作品とかあるから今読んでる!次回は1か3!!次も頑張ってね! (2018年2月5日 22時) (レス) id: e09554575b (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - Rimmさん» コメントありがとうございます!地味に3銃士勢揃いは狙ってましたwうばまろさんのお話は、彼は年上と恋愛させてみたいなと言う思い付きから始めてみたものです。やんわりさん了解しました! (2018年2月5日 21時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年7月7日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。