[は.た.さ.こ]ポーカーフェイス・コンプレックス[学パロ/実.況.者]

三十通目 ページ31

暫くして、二人が戻ってきた。
な「お帰りー！」
と「ただいまー！あれ、まろまだ戻ってきてないの？」
な「結構並んどるみたいやで。あ、言うてたら来よったな！」
それとほぼ同時にうばまろ君も戻ってくる。
う「ただいま。案外混んでたなあの屋台。
ずんだ餅ブームが来てるか？」
か「確かに美味いけえな！
まあ、きびだんごの方が十倍美味いんじゃけどなー！」
う「何それ、喧嘩売ってんの？」
『はいはいはい！そこまで！』
ピリピリしてきた空気を変える為に間に入る。
『二つとも美味しいんだからわざわざ競う事無いでしょ！』
う「まあ、そうだね。じゃあかわぞえさん、
きびだんごのお返しに一個あげるよ。
はい、はるかっちにもあげる。」
『わー、ありがとう！』
これはラッキー！
な「ちょっとー！俺らには無いん！？」
う「あるよ。ちゃんと人数分買ってきてるって。」
そう言って、皆に一つずつ配っていくうばまろ君。
やっさしー！

そして数時間後。
担当クラスの人達の屋台や出し物の片付けを一瞥した後に、
自分達の教室に向かって歩きながら暗くなった夜空を見上げる。
空気が澄んでいるからか、群青に溶ける夕焼けがはっきり見える。
どこか幻想的で、寂しさが漂う空模様。
は「…あの、宮村さん。」
『へ？』
急に呼ばれたから、気の抜けた返事になってしまった。
は「稲野君達のライブ、楽しかったですね。」
『楽しかったね！あの堂々としたギターソロ、格好良かったなぁ！』
と「俺も遠くからだけど見たよ！
あそこまで上手く弾けたら楽しいだろうなー！」
とりっぴぃ君が、私とはたさこ君の会話に割り込んでくる。
それに対して、少しだけはたさこ君の表情が歪んだ。
と「それはそうとはるかりんってさ、
稲野ちゃんってどんな風に思う？」
ど、どんな風に…？
『えっと、一つの事に対して全力で頑張ってるイメージかな？
ギターにしても彼女の事にしても、凄い一途だし。』
と「やっぱり、格好良いって思っちゃう？」
『うん、思っちゃう！』
と「じゃあ、稲野ちゃんみたいな男子が好きなの？」
『それがそうでもないんだよね。
確かに稲野ちゃんのそう言う姿勢には憧れるけどねぇ…。
友達としては好きだけど、恋愛感情は持てないし。』
と「彼女いるからねえ。」
『仮にいないとしてもそんな感情持てないよ。
恋愛とか、怖くて出来ないし。』
話している内に教室に着いた。
一緒に帰る約束をして一旦別れ、各々席に着く。
やがて先生も来て、帰りのホームルームが始まった。

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