一通目 ページ2
初恋なんて、信じない。
実って付き合ってそのまま結婚なんて、有り得ない。
少なくとも私は、そう主張する。
友達には<私は恋愛なんか出来ない>なんて言うけど、実際は…。
まぁ、そう言った持論もあってか、恋愛はしない主義を貫いてきた。
その代わり、周りの友達の恋の応援は欠かさない。
自分が恋をしている雰囲気さえ味わえればそれで良い。
一緒になって一喜一憂して、祝って慰めて。
それが、私にとっての生き甲斐なんだ。
『…わ!今日の運勢もツイてるよ!一位だって!』
今日も雑誌を広げて情報収集。
と言っても、よく見てる占いのコーナーの自分の星座を
目で追ってるだけなんだけど。
「アンタは本当に占い好きだねー。」
『だって気にならない?自分の運勢!』
「それだけで一日が決まんないでしょ。」
至極真っ当なツッコミを受け、うぐぅっと唸る。
『そうだ!アンタの運勢も見てあげよっか?』
「見なくて良い!無駄に気にするから!」
友人からの拒絶に軽く凹む私。
折角見てあげようと思ったのに!
と、ホームルームを告げるチャイムが鳴った。
私は慌てて雑誌を閉じ、自分の席に戻る。
…いや、戻ろうとした。
は「うおっ…!」
『きゃっ…!』
同じく自分の席に戻ろうとしただろう男子とぶつかってしまう。
尻餅をつき、落とした雑誌も適当なページを広げていた。
は「あ…。その、ごめんなさい。怪我しなかったですか?」
同じクラスなのに何故か敬語でそう話し掛けてくる彼…はたさこ君は、
どこか申し訳無さそうな表情を浮かべていた。
私は雑誌を拾って立ち上がり、健在をアピールする。
『大丈夫だよ!この位のヘマは日常茶飯事だもん!』
は「それはそれで、大丈夫じゃない様な…。」
ボソリとそうツッコんでくる彼の顔は、何故か赤く染められている。
『はたさこ君こそ大丈夫?さっきから顔真っ赤だけど…。』
は「お、俺はだっ、大丈びゅですよ…!」
噛んでるし。
早口で言い切ろうとして噛んでるし。
真っ赤になっている事を指摘されるやいなや、
上手く躱そうとして失敗する彼。
『あははっ!はたさこ君って面白いね!
あ、そろそろ席に戻らなくちゃ!
心配してくれてありがとね!』
久しぶりに他の子の間を持たずに男子と話せて、何か嬉しいな。
席に戻ってから彼の方を見る。
彼はガチガチになりながら、真っ赤な顔のまま自分の席に戻った。
その様子が何か面白くて、雑誌を読む振りをしながら笑いを治めた。
やがて先生が教室に入ってきて、号令が掛けられた。
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 夜月さん» メッセージありがとうございます!設定だけで言えば王道だとは思うんですが、それ故にどう変化を付けるのかが難しい作品でもありました。書いていて楽しかったですけどね!2ですね!了解しました! (2018年2月6日 13時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 突然のメッセージ失礼致します。完結おめでとうございます!大好きなはたさこさんのお話で毎回ニヤニヤしながら二人の恋路を見ていましたwもう青春って素晴らしいです!!www次の作品のアンケですが2がいいです!お忙しいとは思いますが体調にはお気をつけください (2018年2月6日 13時) (レス) id: 37437532ec (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - 心音さん» わー、ありがとう!結構多いから、自分のペースでゆっくり読んでね!世界観が繋がってるのとそうでないのがそれぞれあるから、中身分からないまま一気に読んだらこんがらがると思う…。私もちょっとこんがらがったw1か3了解! (2018年2月5日 23時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
心音(プロフ) - 完結おめでとう!いまだに読めてない作品とかあるから今読んでる!次回は1か3!!次も頑張ってね! (2018年2月5日 22時) (レス) id: e09554575b (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - Rimmさん» コメントありがとうございます!地味に3銃士勢揃いは狙ってましたwうばまろさんのお話は、彼は年上と恋愛させてみたいなと言う思い付きから始めてみたものです。やんわりさん了解しました! (2018年2月5日 21時) (レス) id: e598710c3a (このIDを非表示/違反報告)
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