雪の降る蒼空 ３

１１７* ページ17

.







阿部｢Aは俺と一緒で努力して何かを得るタイプ｣


『そうなのかもね』


阿部｢Aはその努力を隠してるけどね？笑｣


『隠してないよ(笑)』


阿部｢バク転教室に通い始めた時も、俺らに全く言わなかったじゃん？

それから、大学受験をした時も｣


『隠してたというか、自分は出来るって信じてたから

それを止められたくないなって思ったの

バク転をカッコよく決める6人はすごく素敵で、私たちの武器になるのはコレだって、コレで戦おうって思った時に

私は出来る、やってみせるって気持ちでいっぱいになった

最終的にみんなに頼る形でなんとかできるようになったし

大学受験も、私たちの可能性を広げる1つになるかなって思ったから受験した』


阿部｢有言実行だよね

やり方がカッコイイ｣


『そう？今日すごく褒めてくれるね』


阿部｢なんか言いたくなったんだよ｣


『私は昔から阿部ちゃんの姿を見てきたから大学に行くっていう選択肢も自分の中で出来たし、得意分野でテレビに出させてもらったりしてるのが羨ましくて、資格取って自分の可能性を広げてるの』



阿部ちゃんがいてくれて、本当に良かったよ

私の道標のような存在だから



そう伝えると、恥ずかしそうに、嬉しそうに、阿部ちゃんははにかんでコーヒーに口つけた

普段こうして阿部ちゃんに伝えることなんて無いから、私も恥ずかしさがあるけど

嬉しそうにしているのを見たら、もっと伝えるべきなのかなって思った




『あれ、そういえば今日うちに来たのってどんな用だったの？』


阿部｢んっとね、なんか今日は誰かと一緒に居たい気分だったから

Aの家で勉強しようかなって｣


『そういうことね

じゃあ私もパソコンこっち持ってくる』



阿部ちゃんの可愛い一面

久々に見た気がする


そんな平日の午後の話








.

１１８* クイズ！正解は…→←１１６* インターホン

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す