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「俺達、Kis-My-Ft2って言うグループなんですけど、知ってます?」





カメラを意識しながら、北山が地元のおじいさんに聞く





「いやぁ、知らんなぁ。」

「ははっ、そうっすよね〜。」





さすがにこの年齢の人達で俺達を知ってる人は少ないか

北山も期待してなかったのか、さほど気にしていない様子





「けど、兄ちゃん達二人とも男前だなぁ。」

「んふふ。こいつ、すっげぇイケメンでしょ?」





俺を指差しながら嬉しそうに笑う北山を見て、胸が熱くなる

こいつはホント、どんな時だって自分よりメンバー優先なんだ





「あんたも、すごいイケメンだ(笑)兄ちゃん、モテるだろ?」





バシバシと北山の肩を叩きながら、楽しそうに問い掛けるおじいさん

いつもみたいにヘラヘラと返事をするものだと笑ってみていたけれど、北山はピクリと肩を震わせ頬を引き攣らせた

小さな変化だったけれど、いつも見ている俺にははっきりと分かる異常な反応

一瞬の沈黙…

驚いて何のフォローも出来ない俺と、これまでの様にテンポよく帰って来ない返事におじいさんもふと表情を変えた

それに気付いたのか、我に返ったようなしぐさを見せると





「そんなの当たり前じゃないっすかぁ!あっあっあっ!」





と、大きな声で笑って見せた





「ぁ、これもう1つ貰っても良いっすか?」

「うんうん、もちろんだよ。いっぱい食べな!」

「あざーっす!」





安心した様に笑い返すおじいさんと、北山はまたつまみ食いを再開させて会話を続けていく

その様子に俺もほっと安心しながらも、さっき見た北山のあの表情と、いつもならどんな人にだってのらりくらりと恋愛話はかわしていく北山の、あの余裕のない返事にやっぱり違和感を感じずにはいられなかった





.

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作者名:MISA | 作成日時:2017年12月7日 13時

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