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「ガヤさーん、今日って暇?」
みやからそう声を掛けられたのは、2人に恋だと気付かされてからひと月程たった頃…
「あぁ…、特に予定はないけど…」
「ミツと4人でご飯行くよ〜ん。」
「え?」
「ガヤに拒否権な〜し。」
「は!?」
ふわふわとした口調だけれど、有無を言わさないオーラ漂うたまの横で、みやは相変わらずニコニコ笑ってる
「ガヤさん、俺達ちゃんと考えてるからね。安心して。」
この分だと本当に断れそうにない
まぁ…あの時からずっと北山と話したいと思っていたから、これはいいチャンスなのかもしれない
しかも二人が助けてくれるって言うんだから、素直に甘えてみよう
「分かった。二人ともありがとね。」
言うと同時に、たまから店の地図が送られてくる
「俺と宮田は、寄るトコあるから、先に出て店で待ってるね。ミツはまだスタッフと話してるみたいだから、後で合流かな。」
「了解。」
「じゃ、またね〜。」
手を振りながら楽屋を出ていく二人を見送って、俺も帰り支度を始める
なんか…今から緊張してきた…
北山の事を想うとドキドキするし
北山が「藤ヶ谷」と呼んで近付いてくるだけで、心臓が破れそうなくらい苦しくなる
やっぱりこれは、恋なんだよな…
恋ってこんな感じだったっけ?
なんて、考えていること自体が自分でも意外で…
不思議と……男に惚れてるって事に嫌悪感はなかった
むしろその事に気付いて、今までのモヤモヤがすっきりしたと言うか、すとんと胸のつかえが取れたと言うか…
自分でも驚く程にあっさりと受け入れる事が出来た
相手が北山だからなのか…それは分からないけれど…
元々、相手の年齢だとか育ってきた環境だとか、地位だとか…そういうものにはあんまりこだわりはなかったけれど、まさか同性を好きになるとはね…
指定された店で一人、皆を待っていたら、ゆっくりとドアが開いて北山が入って来た
「お疲れ。待たせてごめん。」
「お疲れ。…まだ二人来てないんだけど。」
「ん、それがさ…なんか宮田が腹痛くなったとかで…たまが家に連れて帰るって…。」
「え?!」
「藤ヶ谷んとこには連絡なかった?」
……ハメられた…
そう思った
.
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作者名:MISA | 作成日時:2017年12月7日 13時