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その後は…結構大変だったらしい
彼女の旦那さん、ちょっと厄介な人だったみたいでね
彼女と別れるって言ったみたいなんだけど、それだけじゃ許せないって
2年も騙されてたんだから、慰謝料出せって言ってきて…それも莫大な額で…
みっちゃん、何度も話し合おうとしたみたいなんだけどね…
慰謝料が無理だって分かったら、今度は彼女との事、週刊誌に売るって脅迫してきたんだって
……不倫なんてスキャンダル、世の中に出されてしまったらキスマイが壊れるって、みっちゃん怖くなったんだろうね
彼の言うままに土下座までして、何度も頭下げたって
でも…
「許して貰えなかったのか？」
「うん…。」
「酷い…」
「その上……別の条件、出してきたらしい。」
「別の条件？」
渉ははぁ…と深いため息をつき少し考えた後、ぐっと俺を見据えた
「太輔、もう一度聞く。止めるなら今だぞ。」
「止めない。どんな事でもちゃんと受け止める。だから…話してくれ。」
目を逸らしちゃダメだと、じっと渉の目を見つめると、渉の目にじわりと涙が浮かんだ
「わた…？」
「………その旦那な…みっちゃんに自分と付き合えって…要求したらしい…。」
「は…？」
「みっちゃんが自分に頭を下げる姿を見て、嗜虐心に火が付いたんだろうな…。」
「…それで…北山は…」
「みっちゃんは…自分を犠牲にしてでもキスマイを守る。選択肢なんてなかったはずだよ。」
「じゃぁ…北山は、その男に…」
「……。」
渉は…何も言わなかった
それが答えなんだって…自然に涙が溢れ出た
「旦那とみっちゃんが体の関係を持った事、知ってしまった彼女は、自 殺未遂を起こして、その後行方不明。もちろん夫婦は離婚した。」
こんなに酷い出来事が、北山の身に起きてたなんて…
何も知らなかった
「みっちゃんな、自分は人の家庭も人生もめちゃくちゃにしてしまったって泣いてた。」
「そんなっ…！」
「きっと…みっちゃんは自分を責めてる。だから…もう誰も好きならないって、そう決めたんじゃないかって思う…」
「何言ってんだよ！北山は被害者じゃん！」
「でも、みっちゃんはそういう人だろ？」
渉の言う通りだ
北山は、人を言い訳にしない
全部自分で背負いこんで…
弟達も気付いてたのに
俺は北山の事、見ようともしなかった…
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作者名：MISA
| 作成日時：2017年12月7日 13時
