気がついたらeidolon 4

160 ページ10

｢うー･･･こわれちゃ、なおしゅ、けが、なおしゅ、おかね、でりゅ｣


｢どこから？｣


ニカ、お前にしては真っ当な質問だな。


｢でりゅ、しゅりゅ、おかね、しゃき、
はりゃう｣


｢は？｣


｢うーんと･･･それは日常で事故とか何も無い時からその制度受けられるように払ってるってこと？｣


｢しょう！｣


なぜニカには通じるのにユウタやワタルには通じないんだ？


｢あー、なるほどね。治すのも直すのも基本は魔力だからなぁ･･･｣


あ？なんだそれ！？
でも納得なんだよなぁ･･･
やっぱり魔力のある世界は楽でいいよな･･･


｢その魔力の対価分お支払いでいいんじゃない？｣


｢魔力ですぐに元に戻ると思われたら嫌だもんなぁ｣


｢あ、じゃあさ･･･｣


うーん･･･だんだん難しい話になってきた。
政治的なこととか法律的なお話って、まだ俺レベルだとさっぱりわからんのよね。


それにしても久しぶりに見たなぁ、車。
車の運転、嫌いじゃなかったんだよなぁ。
マジ懐かしすぎる。
それにこれ、自分で出しておいて何だけど、かっこよすぎだろ！！


車体をつーっと触って｢はぅ･･･｣と声が出る。
俺の給料じゃ買えなかったよなぁ･･･
これが俺の車だったらなぁ･･･


｢にゃっ！？にゃ、にゃ、にゃー！？｣


急に身体が浮かび上がり、慌てて自分の周りを見る。
ピンクの忌々しい魔方陣はない。
アヤツでないとしたらなんだっ！？


｢チャーマ！！｣


アヤツではない、ピンクの魔方陣を操る本体の方じゃねぇか！


｢今乗ろうとしてたでしょ！こんな危ない乗り物に乗ったらダメでしょー！｣


いやいやいや、タイスケさん、無理ですから。
ベビな俺に運転なんて出来ませんよ？
それに動かない車に乗っても楽しくないし、むしろ危険なんてないと思いますけど？


｢チャーマ！｣


｢･･････あい･･･｣


｢お返事出来たのは偉いけど、危険なことはなるべくしないでね｣


｢･････････｣


｢チャーマ、お返事が聞こえません｣


お前は俺の母ちゃんかっ！？


｢･･････あい･･･｣

161→←159

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す