気がついたらeidolon 4

184 ページ34

｢うーん、もう少し中に入らないとまずいかな･･･｣


中に･･････入るですと？
え、一体どこの中に？


にっこり笑いながらユウタが近づく。


怖い、怖い、怖いーーー！！！
嫌な予感しかしないんですけど！


｢みちゅ、安心して。俺ね、こう見えても鳳凰なのよ｣


鳳凰、そうだよな、俺の憧れの･･･


って、ええええーーーーーーーー！！！！


ガッツリ唇塞がれてますけど！！
さらになんか魔力入ってきてけど！！


｢んっ･･･はぁ･･･｣


エ ロい声まで漏れてますけど！
あぁ、俺詰んだ。
タイスケに殺されるヤツ。


｢よーめた♪｣


ちょっと小首を傾げながら笑って言う、その言い方は。
俺の国で流行ったドラマで、イケメンが主人公の苗字を呼ぶ時のアレとそっくりで。
不覚にもドキッとしてしまった。
待て、俺別に名前呼ばれたわけじゃない。


｢チャーマ｣にしろ｢北山｣にしろ｢宏光｣にしろ･･･字余り的なことになる。
ん？チャーマなら行けるのか？
今度ユウタに、あのドラマのイケメンよろしく

｢チャーァマ｣

とやってもらおうか･･･


｢何が見えた？｣


｢結構まずいことになってるかも｣


｢それより違う世界に旅だったチャーマ様を呼び戻す方が先では？｣


｢タイスケの怒りも解いておいた方が良さそうだぞー｣


俺が某ドラマに自分とユウタを当てはめて、トリップしている間に話が進んでいたようだ。


｢タイスケ、あれは鳳凰じゃないと出来ないやつだから･･･いくら契約者でも難しいよ。だけどちゃんと見えたから、怒らないでとりあえず見るだけ見てほしい｣


タイスケを説得しているユウタ。
うん、やっぱりイケメンだよなぁ。
あれか？某ドラマで言うと、タイスケはリーダーの方か？
って俺、めっちゃ自分が主人公設定で楽しんでるじゃん。


異世界トリップドリーム小説かっ！？
乙女思考かっ！？


｢チャーマ様？大丈夫ですか？｣


ワタル、ダメだわ、俺、結構脳内やられてるみたいだ。
思わずよろっとよろけると、タイスケに抱っこされる。


｢で、何が見えたんだ？｣


そう、本題に戻らないと。

185→←183

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す