気がついたらeidolon 4

153 ページ3

ドリフトといえばあの車だよな。
うん、大丈夫だ。


｢車｣


イメージしながら空中に書く。


ボンッ


｢うわっ！｣


｢ちょ、何コレ！｣


｢おいみちゅ！なんだよ、この金属の塊は！｣


うわ、なんか失敗か？
出したものはちゃんとした俺のイメージした車だったんだけれども。
ほら、ドリフト走行の代名詞のあの車な。


｢ねぇ、なんかこの鉄の塊･･･中に座れるように椅子が入ってる｣


｢いや、この鉄の塊の中に入りたくもないだろ･･･｣


やっぱり魔法だらけのこの世界には、移動手段の車なんてあるわけないよね。
だからのこの反応。
ユウタなんか嫌悪感丸出しじゃねぇか。


｢こえ、きちゃーま、しぇかー、くりゅま！｣


｢くるま？｣


｢こえ、のりゅ、うごく、しゅる｣


｢うごく？｣


｢いきちゃ、ときょ、いけりゅ｣


2人は怪訝そうな顔をしているけど･･･
なんだ？俺の説明下手か？


｢この鉄の塊が動くの？｣


｢ん。でも、しょら、とぶ、ちなーよ。しょら、とぶ、しゅるの、ひこーき。こえ、くりゅま｣


｢ほほう｣


｢んちょね、んちょね、きちゃーま、せきゃ、こんなお｣


俺は空中に｢街｣と書いて、空中に俺いた世界の景色を出す。
いやぁ、俺もちょっと驚いてる。
こうやって映像も出せるんだなぁ。
確かにイメージしたのは映画みたいに見えるものだったけども！


｢なんじゃこりゃ！｣


｢動いてるよ！動いてるよ！｣


｢この、くりゅま、うごくの、こうよ｣


空中にまたまた筆で書く。


｢車動く｣


すると映像が車にクローズアップされて、普通に動く様子になる。
驚きだろうねぇ、驚きだろうねぇ。
この世界ではきっと魔力でワープとかするんだもんね。


｢こんにゃ、うごき、しゅる、できりゅ｣


俺は前に見た映画をイメージしながら･･･
いや、待てよ、著作権とか大丈夫か？
世界またいでるから法律とか関係ないか？
うーん、とりあえずイメージだけして、映画のタイトルを書くのはやめておこう。


｢ドリフト走行｣

154→←152

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す