記憶を失った銀色

第１話 ページ2

「あーだりィ」

歩道を歩きながらそう愚痴る
強制退部させられて１週間が経つ

まぁ家でゲームする時間増えたしな
虹村と顔会わせずに済んでいいだう
あとリョータとか

何が追い抜かれるだバーカ
追い抜けるわけねぇだろあのリョータに
あームカつく,どっかでストレス発散…

「なにしてるんですか？灰崎君」

「ﾋﾞｸｯっテメェは後ろから声かけんなテツヤ！」

焦ったー！
虹村とか他キセキだったらガチで逃げてた
コイツの影の薄さは異常だろ

「お前部活はどーしたんだよ」

「今日はありませんよ」

「そーかよ」

「名残惜しいんですか？」

「ぶっ飛ばすぞ」

「え,ツンデレですか？ツンデレなんですか？」

ナニコイツムカツク
あれか,ダイキが言ってた真っ黒子か
もういい,スルーしてそのまま歩いていく

ｶﾞｼｯ

「マジバ行きませんか？行きますよね？」

…あ…はい…



「なんで皆はそんなに身長伸びるんでしょう
駆逐しますよ,縮んでください灰崎君」

「縮んだら逆に怖ぇーよ」

「じゃあ止まってください」

「そりゃあ…あー…うん,諦めろテツヤ」

ゲンドウポーズでバニラシェイクを飲むテツヤ
この光景,カオスでしかならない
想像してみろ
無表情にゲンドウポーズ+バニラシェイク
腹筋崩壊レベルですわ

「この頃黄瀬くんに絡まれて鬱陶しいんです
どうしたらいいでしょうか」

「殺意を込めてイグナイトすりゃいいだろ」

「…」

「あぁ分かった,してるんだな」

テツヤの素がよくわからない
毒舌真っ黒子かピュアっピュアの天使か
いや,それ以外かもしれない

「ともかく,キセキの世代はキャラが濃すぎるんですよ,なんですかあの髪色は」

「お前も言えたことじゃねーだろ」

「百歩譲って赤と黄はまぁいいでしょう
ですが,紫とか緑,青ってなんなんですか？
桃色もいますけどさ」

「いや,だからお前も水色だろ」

「…」

「いや黙るなよなんも言えねぇのかよ」

「灰崎君は銀髪で,まぁまともなほうでしょう」

話を逸らしやがったコイツ
まぁ髪色に関しては少しは同意するけどよ

「お前も苦労してんだな」

「はぁ…よく考えてみてください
オヤコロ言いながら鋏振り回すチート人間
眼鏡なのだよお汁粉おは朝信者電波キャラ
駄犬シャララキラキラッデルモ(笑)
ザリセミを愛す永遠のガングロ少年
いずれはトトロを越えそうなお菓子の妖精」

「強制退部させられてすいません」

マジバでの会議は続いた
このあとの事故など知らずに＿＿＿

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