アクノロギアが愛した娘6【FT】 (ページ24)

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そして大魔闘演舞一日目が終わり、皆がそれぞれ会場から出て行く。

Aは先程マスターに言われた通り、外にいる評議員の軍兵と会っていた。

『Aです、お話とは？』

「議長からお手紙を預かっています」

『手紙？』

Aは軍兵から手紙を受け取り中を確認した。

”聖十大魔道、悪竜のA。

フィオーレ国王陛下からの申し出により、貴君の大魔闘演舞の出場を認める”

手紙はそこで終わっていた。

「では我々はこれで失礼します」

評議員の軍兵は帰り、その場にはAだけが残った。

『一体どういう風の吹き回しかしらないが、国王陛下は一体なにをお考えになっているのか』

Aはその手紙をポケットにしまい、一度ウェンディの様子を見に行った。

ウェンディのいる場所に向かうと、ポーリュシカがウェンディにつきっきりで看病していた。

『ウェンディの容態はどうですか？』

ポ「心配せずともあと数日休めば元気になるさ」

『それならよかったです』

Aはウェンディの頭を優しく撫でた。

ポ「アンタはその子のこと、随分と可愛がってるようだね」

『ウェンディだけに限らず、私は仲間の全てを大切に思っていますから』

ポ「そうかい……

……前々からアンタのことで気になっていたことがある」

『なんですか？』

ポ「……いや、やっぱりいい。

ほらほら、いつまでもここにいるんじゃないよ

あんたもさっさとマカロフんとこに帰りな」

『わかりましたよ、ウェンディのことよろしくお願いしますねポーリュシカさん』

Aは部屋を出て行き、皆が集まっている酒場に向かった。

ポ「……気になってること……それは、あんたから日に日に人間の匂いがしなくなってることだよ……」

Aがいなくなった部屋にポーリュシカがそっと呟いたのを、Aは知らない。