アクノロギアが愛した娘4【FT】 (ページ21)

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『ん…………』

眩しい光が、眼球を刺すように入ってくる。

ゼ「目が覚めたかい？」

『！？』

Aは驚愕した。ゼレフの手によって抱きかかえられていたからだ。

Aの体は所々水に濡れていた。雨でも降ったのだろう。

『私を下ろせゼレフ！』

ゼ「それはできない、この島は間もなく消滅する。

竜王の力によってね」

Aの目はこれでもかと言うほど見開いていた。

『どういう、ことだ……？

天狼島が消滅……？竜王……？それはまさかっ』

その時だった、空から禍々しい魔力を感じたAは身震いした。

『この魔力は、よく知ってる……やつだっ、アクノロギアがくるだと！？』

その瞬間、耳を劈くようなドラゴンの鳴き声がした。

そして雲の間からAが今まで探し求めてきた、アクノロギアが現れた。

『アクノロギアっ、まさか天狼島ごと吹き飛ばすつもりか！？』

ゼ「アクノロギアによってこの時代は終わる、ここで僕たちは見守る義務がある」

『時代が、終わる……？ナツ達はどうなる！？

私は父上をっ、アクノロギアを倒さなくてはいけないんだ！』

必死にゼレフから離れようとするものの、ゼレフの魔法によって体が上手く動かせない。

ゼ「今の君じゃ、アクノロギアは殺せない。

それは君自身よくわかっているはずだよA。

この世界には絶対的に抗えないものがあることを」

『そんな……マスターは、エルザやミラもあそこにはいる！』

焦るAとは裏腹に、ゼレフは悲しげな表情で静かに呟いた。

ゼ「また、長い旅が始まりそうだ……この時代は終わる

さようなら……ナツ」