美しい悪魔にはご注意をⅡ【青エク】 (ページ26)

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雪「兄さんにはもう自由行動は許されてないんだよ。

勝手に出歩いちゃダメだ…！」

燐「…だってあいつらとちゃんと話したかったんだよ…！

なのにしえみの奴…！あ～～～！もーどーすりゃいいんだ！！」

雪「……しえみさんが家族以外に怒鳴るのを初めて見た」

燐「はぁ？」

雪「何でもない。これ兄さんの新しいカリキュラム」

燐「おっ、あんがと」

雪「ところで…兄さんその黒猫はなに？またいつの間に使い魔を作ったんだい？」

燐「え？あーこれ違うって」

『失礼な。私が燐の使い魔なんぞになるわけがないでしょう』

雪「皇さん！？」

Aは人間の姿に戻り雪男の前に現われた。

『全く以て面倒な話です。この私がこんな格好で四六時中燐の監視をするはめにはってしまうなんて』

Aは肩を回し背伸びをしながらそう言った。

雪「兄には僕とシュラさんがずっと見張っています。兄の存在が露見した今、貴方の役目はないはずです」

『必要か必要ないかは貴方方が決めるんじゃないのよ。

全ては兄上の指示通りに行動するのみ』

雪「だとしても…」

Aは雪男の耳元にそっと囁くように呟いた。

『それ以上は口出ししない方が身のためよ坊や…

お前もまだ死ぬわけにはいかないでしょう？』

途端に口調が素に戻ったAに雪男は恐怖で一瞬身を固まらせた。

Aは雪男の傍から離れ、再び猫の姿に戻り燐の肩に飛び乗った。

『…さ、早く燐の授業を始めましょう』

雪「っ…わかりました」

雪男は納得のいかない表情だった。