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芥川の部屋を出て、Aは自分の部屋に戻っていた。
『手段は選ばない、か……それもそうですね』
首領に云われた言葉が頭の中でリピートされる。
そんな事を考えていると、部屋のドアが開く音がし、中に入ってきたのは中也だった。
中「よう、邪魔すんぜ」
『なんだ中也か……何か用?』
中「首領から聞いた。探偵社にお前と俺で乗り込むってな」
『ああ、そうだったわね、すっかり忘れてたわ』
中「手前が何かを忘れるなんて珍しいじゃねえか
なんかあったのか?」
『別に、でも今のところ一番心配していることがあるの』
Aの顔は険しくなる。
『……首領が、Qを解放した』
中「なにっ?!あれを解放したのか?」
『この戦争に勝つためにはQを使うのが一番の最適解であると首領は云っていたわ
でもQを解き放つ事で大きな穴ができてしまう……』
中「なんだそれは?」
『首領には内緒にしていたのだけれど、組合の異能力者の中に少し厄介なのが混ざっているの
いや、あれは異能力と云っていいのかしら……
ともかく、組合の中にQの精神操作が効かない者がいる。
そして組合の異能力者の中に、樹木と自分の感覚を共有できる者がいるの
私が言いたいこと、わかるわよね?』
中也の顔はみるみる青ざめていく。
中「もしQが捕まって、この横浜全体の樹木と感覚を共有すれば横浜全体が火の海になるのは避けられねえってことか……」
『正解、でもそれは最悪の場合の話
Qがその異能力者と接触しなければ問題はないわ
安全装置である太宰が生きていれば、そのような事態になっても防ぐことができるしね』
中也が太宰の名を出した瞬間、だまり出す。
『中也?どうしたの?』
その瞬間、Aの視界がひっくり返った。
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年6月3日 22時