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仕事をしていると、Aが安吾に一枚の資料を渡した。
安「これは?」
『虎の異能者に七十億の懸賞金を掛けた御大臣が判った。
北米異能者組織、”組合”だ』
安「なるほど……彼等の目的は把握できていますか?」
『いや、私が判ったのは、組合が虎の少年を狙ってマフィアを利用していることと、この虎の少年の過去くらいだ』
安「よくこれを一人で調べられましたね」
『他の仕事との同時調査の際に偶々手に入れた情報だ。
京極のことと同時調査で組合の方も調査を進めていく』
安「助かります」
『じゃあ私は京極の行方を探りに少し綾辻に会ってくる』
安「彼と調査を?」
『綾辻は既に京極と接触している。それに綾辻の観察眼は人並み以上のものだ。
何か有力な手がかりが見つかるかもしれな……安吾?』
安吾は気がつけばAを壁に押しつけていた。
『どうしたんだ安吾?』
安「貴方は……いつもそうやって僕の心をかき乱す」
『お……落ち着け安吾っ』
安「こんな時に私情を挟むなど、僕らしくもありませんが……
この際はっきり云わせてもらいましょう。僕は貴方が好きです」
『なっ!』
安「勿論、恋愛対象として僕は話しています。
さぁ、返事は?」
Aに”YES”という言葉だけしか許さない雰囲気だった。
Aは少し驚いた後、この状況を理解し頬を赤く染めた。
普段、仏頂面で反応を示さない彼女のその表情は、とても貴重なものだった。
安吾はAのその表情を見て確信したように微笑んだ。
安「どうしました?さぁ早く返事をください。僕は余りこういうのは待つのが苦手なんです」
確信犯とも云える安吾の表情にAは更に顔を赤くして震えた唇をそっと開いた。
『わ……き、だ……』
安「ん?よく聞こえませんね。もう一度云っていただけますか?」
『私も……好き、だ……それに、いつもかき乱してくるのは、安吾の方じゃないかっ……」
安吾はAを壁に押さえつけていた手を放すと、Aの顔を掴み上を向かせた。
安「よく云えましたね。ご褒美です」
そう云うと安吾はAの唇にそっと接吻した。
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琉亜 - ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁかわいいいいい文豪さん達が尊い作者さん神だぁぁぁぁ (2023年2月24日 1時) (レス) @page7 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 絵がとても綺麗ですね(^◇^) (2019年4月3日 14時) (レス) id: a9ff31e180 (このIDを非表示/違反報告)
みそしる大臣 - その画力と文才と安吾愛を分けてくれ(涙) (2019年3月31日 3時) (レス) id: 487407bef1 (このIDを非表示/違反報告)
やまもとぉ - 安吾さん好きだったんでこの小説見つけた時はめっちゃ嬉しかったです。安吾さんみたいな硬派メガネ男子大好き結婚しよ))) (2018年12月16日 9時) (レス) id: f5d8616f56 (このIDを非表示/違反報告)
鬼姫海咲(プロフ) - 作者様のせいで安吾推しになってしまいました……ありがとうございました…(’-’*)♪ (2018年12月16日 1時) (レス) id: 0bc1c5e779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年12月8日 22時