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Aはそれから自宅に帰って一人、夜風を浴びながら日本酒を呷っていた。
Aの部屋は殺風景で、唯一の置物は写真立てが一つあるくらいだ。
その写真には一つの家族写真。仲の良さそうな夫婦と、一人の少女、そして母親らしき人が抱える赤ん坊が写っている。
Aはその写真を手にとりジッと見つめる。
そして写真を伏せて元の場所に置いた。
『くだらない』と一言言葉を漏らせば、コップの中にある酒を一気に飲み干す。
良い具合に酔いが回り、頭は既にまとも働いていない。
ゆらゆらと足下をふらつかせながら寝台に寝転がる。
酒で火照った身体を冷ますかのように服を脱ぎ始め、襟衣一枚の姿になる。
今目を閉じてしまえば、一瞬で眠ることができるであろうと思ったその瞬間_____
ピーンポーン
自宅の呼出鐘が鳴り響き、Aは身体を起こす。
おぼつかない足下で扉の方へ向かい、不用心にそのまま扉を開けてしまう。
扉をあけ、そこに立っていたのは、同僚の安吾だった。
安「Aさん!?貴方、なんて格好で出てきているんですか!」
『安吾ー?何しに来たんだ……』
安吾は赤くなったAの頬とトロンとした目を見て悟った。
安「はぁ……貴方、酔っ払っていますね。
全く、少し上がらせてもらいますよ」
そう言うと安吾はAの部屋にあがり、酔っ払ったAを支え寝台に寝かせた。
Aは安吾が来たことにお構いなしに、いつの間にか眠っていた。
安「全く……無防備にも程がありますね」
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琉亜 - ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁかわいいいいい文豪さん達が尊い作者さん神だぁぁぁぁ (2023年2月24日 1時) (レス) @page7 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 絵がとても綺麗ですね(^◇^) (2019年4月3日 14時) (レス) id: a9ff31e180 (このIDを非表示/違反報告)
みそしる大臣 - その画力と文才と安吾愛を分けてくれ(涙) (2019年3月31日 3時) (レス) id: 487407bef1 (このIDを非表示/違反報告)
やまもとぉ - 安吾さん好きだったんでこの小説見つけた時はめっちゃ嬉しかったです。安吾さんみたいな硬派メガネ男子大好き結婚しよ))) (2018年12月16日 9時) (レス) id: f5d8616f56 (このIDを非表示/違反報告)
鬼姫海咲(プロフ) - 作者様のせいで安吾推しになってしまいました……ありがとうございました…(’-’*)♪ (2018年12月16日 1時) (レス) id: 0bc1c5e779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年12月8日 22時