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「相変わらずの暗い所だな・・・。」
刑務所に着くと貴利矢と私は面会室に通された。やたらに湿気臭く窓もそこまで無い部屋の中を見回す。
「相変わらずってお前、来たことあんの?」
「さぁね。」
私は貴利矢の問いかけに肩を竦めながら答えた。貴利矢はこれ以上詮索しても無駄だと判断したのか視線をまた前に戻した。
するとガチャンとガラスの奥のドアが開き、檀正宗が姿を現した。
檀正宗は最初に貴利矢、そして次に私を見る。
私を見た瞬間、一瞬目を見開いたがすぐに表情を元に戻した。
「どうも〜、はじめまして。」
相変わらずの軽い口調で檀正宗に挨拶をする。
檀正宗は何も言わず椅子に座る。
貴利矢は身を乗り出して前にある机に両手を置くと、
「あんたが服役してる本当の理由が知りたい。幻夢コーポレーション元社長、檀正宗さん。」
「・・・君なら私の息子を止めてくれるのか?」
「もちろん。」
どういう意図を読み取ったのかは分からないが、貴利矢は速攻で答える。
「分かった、話そう。その前に、」
檀正宗は私に視線を移す。
「なぜ君がここに?」
「・・・お気になさらず話を続けてください。ただし、分かってますよね?」
私は檀正宗の目をジッと見る。
「・・・もちろん。」
数秒の沈黙の後、檀正宗は頷いた。
私はその言葉を聞いて肩に入れていた力を抜く。
「え?え?何々?知り合い?ってか勝手に二人だけの世界作んないでよ。」
「ごめん、どうぞ。」
私は隣の貴利矢に一言声をかけると、檀正宗を見て先を話すよう促した。
檀正宗は軽く頷くと口を開いた。
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チョン・キヌイ - アニョハセヨ!チョン・キヌイイムニダ。チョンロタッテチョンパドモニダ!!!チャンジヌッカマスムクニダ。ハンヨフネ!アンニョン! (2019年5月26日 2時) (レス) id: ce855c598e (このIDを非表示/違反報告)
ゆの。(プロフ) - パラドファンとして、この作品はとても好きになれました!面白いです!更新、頑張ってください。 (2017年6月22日 23時) (レス) id: 5b254ad5b2 (このIDを非表示/違反報告)
彩希 - こんばんわー。初めて見たけど凄く面白いです(笑)パラド好きなので嬉しいです(笑) (2017年5月18日 20時) (レス) id: 0a944ca153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜和月 | 作成日時:2017年4月29日 19時