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パラドside
ガチャリとドアの閉じる音がして部屋が静寂に包まれた。
俺の頭は変わらずAのさっきの言葉を考えていた。
Mと遊べてすごく楽しかった。
まだレベル差はあるけどあいつが俺と同じくらいのレベルになって本気の勝負が出来たとき、俺は今までで一番のゲームが出来るって確信した。

でも気づいたんだ。

同じ“楽しい”でもMと遊んだときとAと遊んだときの楽しさは違った。

俺はMと遊ぶ事そのものにずっと意味を感じていた。
俺が生まれた理由はMと遊ぶためだって。
それは今も変わらない。
でも、Aと遊んだときはそんなの全然感じなかった。
ただ楽しくて。
時間を忘れられた。
Mと遊ぶときもそんなことを感じるんだろうなって思っていた。
実際は、違った。
戦ってる最中もどこかで考えていた。
自分がいる意味はこれだって。
そして、そんな風に考えてる自分が少し嫌になった。
なんでAと遊んでる時みたいに楽しめないんだろうって。
一方で、Mを倒したらあいつが悲しむんじゃないかってそんなことまで思ってしまった。
そしたらあいつに嫌われるんじゃないか。
不安になって、考えに考え抜いた上でAに聞いた。
自分の中に生まれた違和感に対する答えが欲しくて。
あいつが俺を嫌うのか、その答えが欲しくて。
でも、いざ聞いたらAはいきなり吹き出して、こう言った。

『パラドのやりたいようにやりなよ。例えそれがボクやMにとって違う道だったとしても。ボクはそれに全力でぶつかるだけだから。』

「なんなんだよ、意味わかんねーし。」

普通はMを倒さないでとか、そういうこと言うだろ。
・・・俺、そんなに人間と関わった事無いけど。
そこまで考えてふと、我に返った。

「何考えてんだ、俺・・・。」

Aが泣いていたら抱き締めたくなったり、逆に自分が弱味を見せたり、Mと遊ぶことに違和感を感じたり、Aの事で真剣に悩んだり。

「なんなんだよ・・・。」

本当分からない。
自分も、あいつも。

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設定タグ:仮面ライダーエグゼイド , パラド   
作品ジャンル:恋愛
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チョン・キヌイ - アニョハセヨ!チョン・キヌイイムニダ。チョンロタッテチョンパドモニダ!!!チャンジヌッカマスムクニダ。ハンヨフネ!アンニョン! (2019年5月26日 2時) (レス) id: ce855c598e (このIDを非表示/違反報告)
ゆの。(プロフ) - パラドファンとして、この作品はとても好きになれました!面白いです!更新、頑張ってください。 (2017年6月22日 23時) (レス) id: 5b254ad5b2 (このIDを非表示/違反報告)
彩希 - こんばんわー。初めて見たけど凄く面白いです(笑)パラド好きなので嬉しいです(笑) (2017年5月18日 20時) (レス) id: 0a944ca153 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜和月 | 作成日時:2017年4月29日 19時

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