面白い玩具♪ ページ2
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ズルズルと、何かを引き摺る音が廊下から聞こえる。
なんだろうか、この音は。
外交から戻ってきたルカは、首領へ報告をするために廊下を歩いていた。
その音は、ルカが歩みを進める度に段々と近付いてくる。
「?」
後ろを振り返るが、そこには誰もいない。
「つーかまえたっ☆」
気のせいかと思った刹那、背後から誰かに抱き締められ思考が停止する。
「あ、固まっちゃったぁ」
おーい、大丈夫ー?と一旦離れルカの目前に来ると、オーバーサイズすぎて裾を引き摺り手すら見えない袖をヒラヒラと動かす男。
漸く自分が何をされたかわかったのか、ルカは目前に心配そうな顔をする男の鳩尾目掛け怒りに任せて思いっきり殴った。
「私に気安く触れないでくださいっっっ!!殴りますよ!?初対面で抱き付くとか頭可笑しいんですか貴方は!!」
既に殴った後であり、鳩尾に1発くらったはずなのにケロリとしてる男は、面白そうな玩具でも見付けたかのようにニヤリとギザギザな鋭い歯を見せつけ笑った。
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その後、ルカは初対面でありながらいきなり抱き付いてきた男、ジェイに対し本人は「もうしない」と言っていたが警戒を怠ることなく距離を保ち必要最低限のこと以外は話そうとしなかったが...
「ねぇねぇルゥ君ー!」
如何せん、ジェイのしつこさにルカは最終的に折れてしまいついつい反応してしまっている。
「貴方はいちいち私に突っかかってきて何なんですか?暇なんですか?私は忙しいので邪魔しないでいただきたい」
「えー?オレはオレで忙しいよぉ?今は任務がないから暇だけどさぁー」
ルカの後をついていくジェイは、相変わらず裾をズルズルと引き摺っている。
「それ、どうにかならないんですか?汚れるしいつかボロボロになってしまうでしょうに...」
「これぇ?これオレの戦利品だからいーの!着れなくなることはないから大丈夫大丈夫ー!故意的にされたらそいつを殺せばいいだけだし」
引き摺りながら歩くジェイに、ルカは怪訝な表情でジェイの身に付けているオーバーサイズすぎるコートを見ていた。
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