じゅ〜 ページ10
ホークスは即座に思考を巡らし、そして判断した。
(周りには人が数十人いるし相手は子供。
おそらく個性はギアをあげる系で自転車のギアを上げてる)
前輪が鼻をかすりそうになる距離だったAの手首を掴み、引き寄せ受け止める。
赤い羽根を回る前輪と後輪にそれぞれ1枚ずつ挟み込み、そのまま別の羽根を使い少年をペダルから引き上げた。
空中には泣きそうな顔の少年と、自転車がぷかぷかと不自然に浮いていた。
「A、怪我は？」
すぐにホークスは自分の腕の中にいるAに声をかけた。
「だ、大丈夫……」
声が震えていたのは、恐怖ではなく怒りの感情であるということをホークスは一瞬で分かってしまった。
「タッちゃん！！！」
「だからやめようって言ったのに〜」
「すみませんすみませんすみません……」
後から普通の速度で自転車を漕ぐ学生、おそらく中学生の少年らにAは顔を向けた。
「ホークス……その子、下ろして」
必死に声のトーンを下げないようにして口角を上げながら話すAは、逆効果でより恐ろしく見えた。
その顔を見た少年ら4人は思わずその場で正座になる。
周りの人々が変に注目する中、ホークスは「気にしないで大丈夫ー、騒がせちゃってごめんねー」と注意を散漫させていた。
「……で、主犯の君」
「はい……」
「なんでこんなことしたんですか？」
目だけが笑っていないAから目を逸らして「それは」と口ごもる。
「ちゃんと私の目を見てください」
冷淡な声でビクリと肩を揺らしながらAを見る。
「え、えっと、シルディーとホークス、どっちか強いか、言い合いになって、それで、確認、しよって、俺が言い出して」
泣きながら理由を話す少年に、Aは目を細める。
「それくらいなら、直接私に聞いてください。なにより、そんなことで自分の力を使い、暴力を正当化して使おうとしないでください。
正当な暴力などないのですから。
他の3人も分かっていたならちゃんと止めてあげなさい。いいですね？」
1人の少年を始め、他の3人も深く頷いた。
「今回は被害者もいなかったですし見逃してあげましょう！ただし、顔と制服から学校は覚えたので、次は覚悟しててくださいね〜」
ひぃ、と声を漏らす少年らに2人はその場から立ち去ろうとした。
その前にあ、と足を止めて振り返る。
「私より、ホークスのほうが断然強いですよ〜！」
横でホークスは、困ったようにくしゃりと笑った。
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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