さんじゅ〜 ページ30
あれから2週間ほど経ち、秋祭り当日。
「──ええ、はい、あと2週間ですか。大丈夫です……えぇ」
ホークスが電話を繋いで誰かと話している時、Aがパトロールから帰ってくる。
「ただいま戻りました〜……お電話中でしたか」
様子を見てすぐに小声に切り替わり、電話中のホークスと目が合う。
「……はい、急がなくても大丈夫なんで。お願いします」
そう言って電話を切り、Aに「パトロールお疲れ」と笑いかける。
「お邪魔でしたか？」
「ううん、私情」
それよりも、とホークスは話題を変える。
「今日も昨日も平和でよかったね。問題なく秋祭りに行けそうだ」
「はい！私すっごく楽しみで、さっきもパトロールのついでに現地へ足を運んできました！」
「……結構遠かったけど、うん、まぁよかった」
満面の笑みを浮かべながら小さく顔を揺らすAに、少しだけ幼さを感じた。
祭りごとにあまり行ったことがないのだろうか。かくいうホークスもその1人なので、実は内心楽しみにしていた。
「残りの仕事は他のサイドキック達に任せてあるから、今日は帰っても大丈夫だよ」
「ではお言葉に甘えて失礼しますね！お疲れ様です〜！」
事務所にAの声が響くと、そこにいた数人のサイドキックが言葉を返す。Aがいなくなるなり、サイドキックの1人がホークスにニヤニヤとした表情で声をかける。
「ホークスさん、ホークスさんも何かないんスか？プレゼントとか」
「そうですよ！せっかくのデートなんですから！」
何を期待しているのか、本人よりもサイドキック達はソワソワとしていた。
「お前らなぁ……まぁ、仕事任せてるから強くは言えないか。2人で……それなりに楽しんでくるよ」
手をひらひらとさせてその場を去るホークス。
(ホークスさんとシルディーさんがいたら、俺らの仕事なんて無くなるようなもんだし、今日くらいはまともに仕事をさせてくれ……)
ほとんどのサイドキックが同じことを考えた。
夜7時を過ぎた暗闇の中、まるで夕日のような色の提灯が石畳に続いている。
夜9時から花火が打ち上がるということで、まだ人混みのラッシュは起こってはいなかったが、それでも人は多かった。少し気を抜けばはぐれてしまうだろう。
(……待ち合わせから5分過ぎてる。珍しいなぁ、Aっていつも10分前にはついてるのに)
そう思いながら時計を見つめていると、遠くから下駄の音と共に「遅れました〜！すみません！」と声が聞こえた。
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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