一伍一什 ページ15
「ムダなことを全て消しちゃうの」
相澤と共にタクシーを捕まえ「こっから一番近くの国際病院まで」と相澤は運転手に頼んだ。
「個性、か……？」
「わからない。でも、意識するだけで、物事を簡単にすることが出来る」
Aがそう言ってから数十分。タクシーの車は渋滞どころか、赤信号にも引っかからなかった。
「お客さん、今日はついてますね〜」
タクシーの運転手は呑気な声でそう告げる。しかし、相澤はそのついている運がAによるものだと知っていた。
「着いたよイレイザー、パパはどこ？」
タクシーから降りたAは、イレイザーの袖を引っ張った。「こっちだ」と早足で病院へ向かうイレイザーの表情は、どこかぎこちなかった。
「パパ！」
マイクの病室につくと、Aはマイクの元へ駆け寄った。頭と右腕、左足に包帯が巻かれ、点滴が何本か打たれていた。
「山田さんの……お子さん、ですか？」
「ええ、そうです」
Aの後ろで看護師はイレイザーに耳打ちをして確認した。そして暖かい声で「大丈夫よ」と声をかける。
「パパ、三日もしたらよくなるわ」
「……三日？」
Aは刹那、恐怖に染め上がった顔になった。
「三日もかかるの……？ 三日も会えないの……？ どうして？」
「それはね、パパが怪我しちゃって、しばらく安静にしないと……」
「三日も待てないよ、今すぐ一緒に帰る」
「A……？」
イレイザーはいつもと様子の違うAの後ろ姿を見て顔をしかめた。
Aは眠っているマイクの手をぎゅっと掴んで、小さく笑った。
「パパは強いから、大丈夫」
直接マイクの戦う姿や、ヒーローとしての姿を見たことは無い。ただ、時々テレビで見るマイクの戦う姿を、Aは何度も見たことがあった。
しばらくすると、マイクは「んん……？」と目を覚ました。
「あれ……ここどこだ？」
突然起き上がったマイクに驚いて、看護師は急いで医師を呼びに行った。イレイザーも目を見開いて二人の様子を見る。
「パパ、元気？」
「ああ……ってA！？ なんでここに！？ てか俺なんでこんな点滴打たれてんのに元気なんだ！？」
WHY！？ と叫ぶマイクにイレイザーは「落ち着け」と声を差した。
「Aは俺が連れてきた。コイツがパパの元へ連れてけってうるさかったものでな」
それよりも、とイレイザーは言葉を続ける。
「A、いつから個性を自在に使えるようになった？」
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紫苑(プロフ) - うわああああ待って涙で前が見えないけどブラインドタッチィ―！うっうっ、涙腺が、涙腺が崩壊するたしけて (2月28日 17時) (
レス) @page47 id: 89604d43a6 (このIDを非表示/違反報告)
ただのらぁめん - 夜に読んでボロ泣きしました､､最ッッッ高でした (2023年4月2日 0時) (レス) @page47 id: 2cf0465f68 (このIDを非表示/違反報告)
San(プロフ) - 涙が止まらない素晴らしい作品でした（ ; ; ） (2023年3月1日 13時) (レス) @page45 id: b5216021f9 (このIDを非表示/違反報告)
rusya.(プロフ) - マイクパパｯｯｯｳｩｯｯ号泣。。素晴らしい物語に感化されました。ありがとうございました。。 (2022年12月13日 0時) (レス) @page47 id: f22ef2da16 (このIDを非表示/違反報告)
化け猫 - 涙が止まらないｯ!素敵な作品を作って下さりありがとうございます!生きてて良かったと思いました!(T^T) (2022年9月27日 16時) (レス) @page47 id: 7ab55173a1 (このIDを非表示/違反報告)
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